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幸せにしたい女の子がいる。

起業家という道を経て、今は二作目の出版を目指している橋本なずなです。

近頃、ホルモンバランスの影響もあってか、とても涙もろい。
夜、眠る前に母を想って泣いてしまう日が続いている。

今夜は推しの配信を流しながら、寝息を立てる彼の温かな腕のなかで眠気と待ち合わせをしていた。
待っても待っても来る気配がなくて、InstagramとXを何往復か徘徊した。

それでも眠気はまだ来ない。

私は仕方なく、おもむろにLINEを開いた。


母とのLINEは、今もトーク履歴の一番上にピン留めされている。

母から出る吹き出しは、1月16日が最後だ。

心を病んだ私が家に帰らなかった日。
どこに泊まるかを伝えたら『 ちゃんと知らせてくれて、ありがとう。』と。それが最後のやり取りだ。

その後暫くは、母の会社の電話番号や、葬儀用に選定した写真なんかをメモとして送っている。

2月、3月頃になると、母について書いたnoteや、彼や友人らと撮った写真。
5月末には、母の死をテーマにした文学賞作品のデータ。
7月某日には、“ ♡ママに送る♡大好きスタンプ ” のスタンプを送っている。

“ I ♡ ママ ” とか “ ママは世界で一番 ” なんて書いてあるそのLINEスタンプは、『 送って欲しい~♡ 』と母が自ら購入し、私にプレゼントしたもの。
そんなことで喜んでくれるなら、と、何かと私も使っていた。

ぽんっぽんっぽんっ、と連続で、そのスタンプが幾つか送られている。

既読は、未だ付かない。


〈 お母さんに会いたいよ 〉


今夜はメッセージを送ってみた。

既読、付くかな。


「 っ……うぅっ 」

そんな期待は叶うはずがないと、溢れる涙が訴えていた。

まるで猛暑の日の汗のように、流れ出る涙は躊躇がなかった。
手の平で拭おうとも間に合わず、ティッシュを探すが見つからない。

もういいや、と諦めて、床に小さなシミをつくった。


暫くして、顔を洗いに洗面所へ向かった。

洗面台の鏡の前に立つと、頬を少し赤らめた、大きな目を腫らした女の子が映っていた。

——— なんて、美しいんだろう。

眉間にシワが入っている人は、怒ることが多かった人だと云う。
ほうれい線が深い人は、笑うことが多かった人だと云う。

けれども、その女の子は多くのトラウマを目にしてきたというのに、ビー玉のように澄んだ瞳でこちらを見つめている。
シワもシミも一つもない、穏やかで、優しい表情をしていた。

「 どうしてあなたはこんな時にも、それほどまでに美しいのですか? 」

女の子は私の真似をして、一緒に口を動かしていた。


母が亡くなり、それを分かつ家族もおらず、どうしようもなく孤独だった時。
僅かだが毎日、私を笑顔にしてくれていたのはその女の子だった。

家の洗面台の鏡や出先のお手洗いの鏡、持ち運び用のコンパクトミラーなどに現れる女の子は、いつも美しい顔をしていた。

ただ、その顔を見るだけで、少しだけ心を明るく持つことができた。

女の子は、第三者に過去について話すと『 美人だし、何の苦労もしなさそうなのに 』としばしば言われて来たそうだ。

「 美人は苦労しない、なんてあまりに暴論だけれど、自分のことを “美しい” と、“好きだ” と思えるのは恵まれていることだ 」って、女の子は言った。


私は女の子をもっと笑顔にしたい。幸せにしたい。

それが、あの日の恩返しになるように。

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