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The Planet Magazine Wombat

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ライアル・ワトソン博士によるとWombatとは世界で一番役立たずの動物だそうです。20世紀に4冊だけ丸い地球のプラネットマガジンWombatは雑誌として講談社から刊行されました。…
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#ベーシックインカム

通貨発行権とこれからの社会

通貨発行権という権力の存在がもっともっと知られていく必要があると思っています。

近代国家を基礎付ける「立法」「司法」「行政」の三権分立に隠然たる影響力を行使している「通貨発行権」という最上位の権力が、各国家権力さえ超えて存在しているという実態は、最近、かなり多くの人に知られてきていますが、まだまだ大多数の人は知らないと思います。

本来、富の源泉は社会にあり、本来、通貨の役割は、社会の中で富が生

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アフターコロナの日本再生プラン。電子公共貨幣EPMと債務貨幣の2重貨幣制度の導入

アフターコロナを見据えた日本の再生プランです。

以前、政府が国債という借金の形ではなく、直接お金を発行する公共貨幣によって国民に給付金を配布するというアイデアを記しました。

「公共貨幣による緊急ベーシックインカムが、コロナウイルスへの最善の経済政策であり、SDGs達成の道。」
その発展的アイデアとして「電子公共貨幣EPMと債務貨幣の2重貨幣制度」を提案します。

元々は、公共貨幣フォーラムの会

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コロナウイルスへの経済対策は公共貨幣による緊急ベーシックインカム。SDGsへの道も拓ける

今、最優先の経済政策は、現金による個人への休業補償。

一人一人が食べていければ、どんなに休業期間が長くなろうと、経営者も従業員も自営業者も事業者オーナーも不労所得者も、また再開、再起できる。

だから個人への現金給付が一番無駄のないお金の使い方。緊急の時期限定のベーシックインカム。

そのお金はどうするのか。

国債発行して日銀や投資家に引き受けさせるというのは、次善の策。
これ

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ダグラスの社会信用論をアップデートしたい

これまでダグラスについては関曠野さんの著作、講演録を通してしか知らず、今回、初めて「社会信用論」を読んで学び始めたばかりでわからないところだらけですが、非常に面白いと思っています。

彼は、従来の経済学とは全く違うパラダイムを構築し、お金も含めた民主主義的な社会を作るための設計図を作ろうとしたのだと感じています。
それを現時点で、自分なりに大雑把にまとめると、ランダムになりますが、列記してみると以

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「価格メカニズムによって需要と供給は均衡する」という経済学の嘘

大学時代に理科系専攻過程から文転し、文学部社会学科に進みました。

その時に初めて参加したゼミで価格はどのうようにか決定されるかというテーマを振り当てられました。

すべてのモノ、サービスの価格=原価+利益となる。つまりモノ、サービスの生産において仕入れ価格<販売価格となるプロセスが続くことになるが、それでは循環するシステムとして破綻するのではないかと考えて、わけがわからなくなりました。結局、そこ

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貨幣に対する考えを私たちは変えられるか。それが社会に関する究極的な問いである

「究極的な問題は、貨幣を私的に所有可能な力とみなしがちな私たちの思想を変革できるかどうかなのである。古代のギリシア語で貨幣を表す「ノミスマ」と言う言葉は、本来制度を意味していた。そして、貨幣とは長らく金が象徴してきたような神秘的呪物ではなく、法のような制度であるとするならば、貨幣の力は近代法と同様に、自由、平等、公正の民主主義の原則に従って行使されなければならない。このことを認め得るかどうかに、私

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電子マネーの政治性とベーシックインカムの政治性に目覚める

「銀行の破綻がさらに深まれば預金封鎖の事態もあり得ます。これは1930年代の大恐慌の際に銀行を守るためにとられた政策です。しかし今日の権力エリートは、もっとひどいことを考えています。それは、通貨を全て電子マネーにして現金を廃止すると言うものです。リーマンショック以降、世界のメガバンクは事実上全て破産しています。破産の実情を通貨の大増刷、いわゆる量的緩和で取り繕っているのですが、そういう中でメガバン

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議会制国家は法秩序ではなく銀行が管理している通貨秩序に従属している

「19世紀以降の大衆民主主義、マスデモクラシーは、能動的な市民と言うリベラルエリートの虚構を解体させ、人々を受動的で制度によって調教された大衆、マスに変えるものでした。この人々のマスの調教には、普通選挙権と義務教育、マスコミが決定的な役割を果たしました。この政治の大衆化はあたかも民主化であるかのように見せかけられましたが、実際にはこれはエリートが人々を工業化に動員するための戦略でした」

「18世

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生産の時代は終わり、富の公正な分配が時代の課題になってきた

「生産から分配へと言うダグラスの議論は、時代にマッチした適切なものになってきている。資源と環境の危機で成長の限界にぶつかった資本主義の問題、特に金融資本が成長の限界を無視してきた結果、銀行への負債だけが増える負の成長の中で分配の不平等が極端になっています。生産の時代は終わり、富の公正な分配が時代の課題になってきたのです」

「環境の破壊と資源の枯渇は今や文明の存続を脅かしています。経済が成長するか

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経済的デモクラシー

「社会信用論は、銀行経済を廃止して政府が通貨を発行することとベーシックインカムの実施を主張しますが、ダグラスはこれを「経済的デモクラシー」と呼んでいるわけです。この政策によって資本が広く社会全般に分散し、国民全てが経済力を持つことになる。そうなると、商品を買うといった庶民の経済活動自体が選挙で投票するのと同じような意義を持つようになる。経済活動生活そのものがデモクラシーの表現になる。一方に経済があ

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世界経済危機の根本原因

「現在の世界的な経済機危機の根本原因はかつての30年代大恐慌と同じく負債デフレなのだが、この認識が世に広まると銀行業を成立させている負債経済のことを世論は問題にし始めることだろう。だから中央銀行は問題を流動性の危機、キャッシュ・フローの縮小や滞留にすり替え、コンピュータのキーボードで厖大なマネーを無から創造して、それを殆ど無利子で銀行業界に輸血する。その結果、恐慌がさらに深刻化しているのに、飛び抜

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公共貨幣、信用の社会化は議会制国家とは別の新たな政治共同体を必要とする

「社会信用論は議会主義や政党政治とは本質的に馴染まないのである。議会主義と政党政治は近代租税国家と一体になっていて、この国家に政治的正当性を与えている制度だからである。議会制国家は会計として国家財政を前提としており、それゆえに予算の審議および税の徴収と配分をめぐる政争が政党の存在理由になる。もしも会計としての国家財政が信用の社会的管理に置きかえられたら、政党はすることがなくなってしまうだろう」

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経済が不均衡になってしまう必然性

「生産と消費、供給と需要の不均衡が生じる原因についてのダグラスの見解は、ある意味で単純明快なものである。その原因は(1)オートメーション、(2)企業会計、(3)銀行マネーである。」

「まず第一に、、オートメーション化が膨大な商品を生産する一方で、勤労者の賃金は継続的に減少する。それゆえに生産と消費を均衡させるためには、雇用以外の形で所得を補助する必要が生じてくる」

「第二の企業会の問題、、企業

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公共貨幣、信用の社会化、ベーシックインカム

「近代国家は租税国家である。これを否定形で言い直すと、これは通貨発行権を持たない国家、それを銀行に譲渡し自らの収入源としては租税と国債しかもたない国家である。そして市民からの強制的な租税の徴収は経済発展の論理で正当化されている」

「我々の課題は、国家がその主権を行使して明確にコントロールできる経済という意味での国民経済の再建である。そして信用の社会化とベーシックインカムは、グローバル化によって荒

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