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BUMP OF CHICKENとポルノグラフィティとサカナクションのLIVEの感想。

TK from 凛として時雨のLIVEの衝撃で感想を書いてなかったので、この3つのLIVEについての感想を。


BUMP OF CHICKENのLIVE。

ホームシック衛星2024 2024/3/20

このホームシック衛星はアルバム『orbital period』のツアー、15年前のツアーを再演するというものだった。

当時広島に帰ってから祖父祖母を相次いで亡くしたばかりで、そしていつも自分の過去と縁起について考えを巡らせていた時期であった。

その時にグリーンアリーナでバンプのLIVEがある事を知った私は即座にチケットを入手したのだった。

高校生時代に何度も何度も音楽LIVEに通い詰めた日々の中に、一回だけ行ったBUMP OF CHICKENの同じグリーンアリーナでのLIVEは、贔屓にしていた夢番地という運営会社から抽選で直ぐに取れて、
それはもう最前列でLIVEを聴いたのだった。
今でもあの感動を覚えている。
最前列で聴けた『カルマ』と『メーデー』と『才能人応援歌』は格別であった。
勿論その他の曲も余りにも名盤であった『orbital period』は、絶筆し難いほど全てが思い出深い。

その時のツアーの名前が『ホームシック衛星』だった。

そしてその事を会場に入って思い知らされた。
15年前の自分を。
15年前はどうしていただろうかと言われて、昔の自分に立ち返った。

まさかこんな偶然があり得るのだろうか。
事実とは小説よりも奇なり、である。
偶然去年広島に帰って、自分が過去について縁起について考えている時に、こんなにも自分の思い出に直結したBUMP OF CHICKENという存在が、
15年ぶりに広島のグリーンアリーナで同じツアーをするという事。
余りにも運命的だった。
運命の引き寄せを感じた。
どうしても高校生時代へ立ち返る、見つめ返す事を強制されていると。
だからこのLIVEはあの時よりもっと意味を持った。
たくさんの自分の原点回帰であった。

『周回軌道上』

『flyby』という曲が昔よりずっと自分に響いたのは、言わずもがなだろう。

勿論新しい曲も何度も聴いていたから、それはもうひたすらに嬉しさと感動であった。
自分の遺伝子ごと沸き立つような、その曲達に込めた自分の思い入れが、鳥肌の立つ勢いでぶわっと沸騰した。
その時はただこの運命に喜んでいただけだったが、今思い出す程何故か涙が出てこようとする。
もうニ度と聞けないと思っていた。多分そうだろう。

『必ず僕らは出会うだろう 同じ鼓動の音を目印にして
 ここに居るよ いつだって呼んでるから
 くたびれた理由が重なって揺れる時
 生まれた意味を知る』

『必ず僕らは出会うだろう』そして『出会った』。

LIVEの最後にMCで云われた事で凄く印象に残っているのは、
「僕達がずっと音楽をしている理由は君たちなのだから、最後まで面倒を見てよね!」
というものだ。
正直いつでも辞める事は出来た。でも辞めずにいたのは私たちが求めるからだと。
私にとっては今回のライブで『約束は果たされた』と思っていたが、まだ私たちに新しい曲を聞かせようとしてるのかと。
意欲的で素晴らしい。
でも正直BUMP OF CHICKENがなくなったとしても、私は永遠に忘れる事はない。
実際覚えていた。この遺伝子の沸き立つ程の衝撃を。
だからこれからも永遠に覚えている。


ポルノグラフィティのLIVE。

19thライヴサーキット "PG wasn't built in a day" 2024/3/16

実は日付を見れば分かるのだが、ポルノグラフィティはバンプのLIVEの4日前であった。
会場も同じグリーンアリーナ。
ただ今回は本当に偶然取れたチケットであった。
直前に2枚入手出来る事が分かり、いつもポルノを聴いていた父もLIVEに行く事になったのだった。

取り敢えず必要になるだろうLIVEのタオルと良心的価格のデカデカとポルノグラフィティと書かれたポーチを購入した。
初めての音楽LIVEに困惑する父は微笑ましかった。
LIVEのタオルを渡すと、「これいるんか?」と言われたので、
「取り敢えず持っといて。」と返した。
実際、ハネウマライダーがちゃんとセトリに入っていたから、
「タオル持っとって良かったわ。」と言われた。
母が「うちでも知っとるわ。」と言った。

そして母がその後のポルノグラフィティの因島での野外ライブでのYouTube配信の動画を見て、
「ちょっとなまり過ぎてなんて言よるかわからんじゃろ、これじゃあ。」
とガッツリ広島弁なまりで言ったのが面白かった。

ポルノグラフィティは感慨深いというレベルでは表現できない。
初めての出会いは小学3年生とかではないだろうか。
母校の小学校では当時、朝の放送というものがあり、その時に毎回『アポロ』か『アゲハ蝶』を永遠かけ続けていた。
そして音楽の授業でもポルノの曲を何曲か聞いたのだった。
それは最早広島に生まれ、ポルノのデビュー年と共に小学生になった者たちの宿命なのだろう。
広島はポルノグラフィティ一色であった。

そして当然の如く、初めて買ったCDはポルノグラフィティの『BEST BLUE'S』だ。勿論好きで知っているアポロとアゲハ蝶が入っていたからだ。

ただ、買ってポータブルCDプレイヤーに入れてイヤホンから聞いた時の音の違いに衝撃を受けたのを覚えている。
そして3曲目の『オレ、天使』の衝撃たるや。
初めてロックを聴いた。
カッコイイ。すごい。なんだこれは。なんだこの世界は。

それからはもっと音楽にのめり込んでいった。
急速に音楽の世界が広がった。
その中にBUMP OF CHICKENやASIAN KUNG-FU GENERATIONもあった。
エレキギターの音が大好きだった。
だから一番最初に自分で買ったエレキギターはEpiphoneのレスポールカスタムだった。
ハムバッキングのレスポールと重い歪みが大好きだ。
今でも歪みが大好きだ。
正直歪ませてなんぼだと思っている。とは云え一応のこだわりはあるが。

兎に角、私のロックの音楽の原点だ。全ての音楽の原点でもある。
本当に自分で好きになった初めての曲達。
それがポルノグラフィティ。

ちなみにポルノグラフィティの曲で何が一番好きかと言われたら、物凄く単純に『ヒトリノ夜』だ。まさかのアゲハ蝶じゃない。

昔の曲ばかり好きだと言われるのは心外だ、というのも分かるので『THE DAY』と『アビが鳴く』と『俺たちのセレブレーション』を鬼リピしていたので良いぞとオススメもしておこう。

ちなみに中学生当時は岡野昭仁のガチ恋勢だった。今でも相変わらず可愛くてやっぱり好きだなぁと大変感慨深い。

それはそれとして今も昔も別離も迷走もあったけど、ここまでずっと音楽をしてきた彼らもまた、
「君たちがおるからわしらも音楽が出来るんじゃけぇ、これからも本当によろしくお願いします!」
と言った事はバンプと同じだったのだ。

彼らもまたコロナ渦の影響を感じながらも、進退に関して思う所があったのだろう。
ただこの広島の地の熱い、熱すぎる程の熱意は、LIVEで各々がバラバラになることなく、ビタっと音に合わせて同じ動きやレスポンスが出来る所から、やはりファンの熱意が違うなと、数々のLIVEに参加した経験の後で、改めて肌で感じ直したという所である。

そして勿論、このタイミングでポルノグラフィティのLIVEに行けた事。
その事実が『自分の過去に焦点を当てろ』と云っている。
これは真実だと理解した。


サカナクションのLIVE。

SAKANAQUARIUM 2024 "turn"の前、去年に行われた山口一郎さんソロでの『懐かしい月は新しい月 "蜃気楼"』というLIVEがあった。その経緯の話もしたい。
そのLIVEの情報はLIVE後に渡された広告からだったはずだ。
そして2023/11/14は祖父を亡くして暫くして行ったLIVEだった。
それまで葬儀やそれに関わる色んな事で手一杯だった日々が、少し一息付ける所まで来た所だったと思う。

そしてその広告を貰ったのは、須田景凪 TOUR 2023 "Ghost Pops"であった。2023/9/9であり、まだ祖母は存命であった。その時に夜の本気ダンスと山口一郎さんのソロLIVEがある事を知った。

夜の本気ダンス 15th Anniversary TOUR ~1GO! 1A! O-BAN-DOSS~ 2023/11/12

夜ダンは広島に住んでいた最後の年から久々に行ったなと思っていたら、彼らも丁度あの時からの久々の広島公演であった。まさかの皆勤賞である。
そして大変楽しかった夜であった。夜の本気ダンスはいつも楽しい。
最初に行った時は他2バンドと対バンというとんでもない構成であったが、その中でも私は一番夜の本気ダンスを気に入っていた。
それから隙あらばチケットを取っては行っていたので勿論楽しかった。

ちなみにギターの方が仁義なき戦いに影響されていて、
「広島にヤクザはいますか?」と聞かれて、本当は何処にいるかまで知っていたけど流石に言えなかった…。
ちなみに呉の神社のお祭りで本物の方々による本気の鬼の祭りが11月3日にありますので、もし興味があれば行ってみて下さい。ものすごい凄みがあります。

山口一郎 懐かしい月は新しい月 "蜃気楼" 2023/11/14

まさかのプレイガイドの広告で知る事になったこのLIVE、ギリギリでチケットが取れて本当に良かったと思う事になる。
いつものサカナクションではなく、ソロでのLIVEは本人も初めてで、何より最近の体調不良は鬱病で、それが深刻化していたが、最近になって少し回復傾向になり、医師からOKが出た事、そしてコロナが落ち着いた事で試運転という目的でソロLIVEをする事になったと。

実はそうなんじゃないかと命式で知っていた。
そして実際鬱病になったとしても、周りのメンバーの命式を見る限り、彼は回復するだろうと踏んでいたから、特に何も言わなかったが、本当にそうなっていたのか、と思った。

そしてその状態から出た音と映像は、私の心を未だかつてない程捉えた。

私はインストゥルメンタルが大好きだ。
残響レコードのインストバンドや、Corneliusの特に『Sensuous』を永遠聴いていた高校生であったから、
今回のLIVEで彼が表現したいものが私の感性にバチバチに合う事が分かった。
彼の中の『原形の音』に触れる事が出来た。
そしてそれは凄く私にしっくりくる。
LIVEのDVDは絶対買おうと決めた。
そして月がモチーフになっている事も大変占星術師で天文学好きの私には堪らないものであった。大変良かった。

その時に実は広島で今度サカナクションとしてLIVEをする予定があると話した事で、ファンクラブに入り直して絶対に行くと意気込んで臨んだLIVEが『turn』になる。

SAKANAQUARIUM 2024 "turn" 2024/6/30

サカナクションは一度行けてから以降のツアーの1公演は全て行っているので、一番最初に行ったのはSAKANAQUARIUM 2019 "834.194" 6.1ch Sound Around Arena Sessionの幕張メッセだ。
私が東京に引っ越してから初めて行けたライブだった。
そしてその次の日のASIAN KUNG-FU GENERATIONのLIVEも行った。

それからはなんやかんやファンクラブに入ったり出たりしながら動向を見ていた。今はもう年会員でファンクラブに入っているので、今後はずっと続けるだろうと思う。

サカナクションの山口さんは計算された音楽を作り続けるのが上手い。良い意味でも悪い意味でもぶれない。
だから安心して聴けるのだ。
いつでも安心して高いクオリティーを出せる。
LIVEも高いクオリティーを出す、そして新しい試みもする挑戦力。
全てが嚙み合っている。こんなに几帳面なバンドを私は彼ら以外に知らない。
命式以上にプロ意識が高い。大変な努力家だと思う。
だから大変応援しがいのあるバンドだと思う。

そして『蜃気楼』のLIVEで彼の中の原形の音楽に触れた時確信した。
自分にとって間違いないと。

そしてこのLIVEで更に進化をしようとする心意気を感じた。
だから好きなんだ。
そして鬱病を経験した彼は更に深みが増した。
私は鬱病やPTSDが芸術に関してはプラスに作用すると知っている。
自分の根源がそのまま湧き出てくるのだ。
ただその深淵を上手く操作出来ている時は良いが、飲み込まれた時、永遠に出れなくなる可能性も秘めている。
だから禁忌でもある。
だけどその深淵の深みを知らない作品は浅すぎて私には刺さらない。
本当に奥に、深淵の、深海の底に沈んだ者だけが見える景色。
彼は気付けたのだろうと思う。彼なりに。
だから本当の心根をこれからどんな音で出していくのかとても楽しみなんだ。

LIVEの感想はそれがよく表現された、いや、寧ろその真っ只中で、これからどうなっていくのだろうと期待させるものだった。

そして彼もまた、
「僕を繋ぎ留めたのは君たちのお陰で、君たちもたくさんの犠牲を払ってここに集まっているんだと。本当に感謝しているし、その為に良いLIVEを音楽をしていきます。」
と言った。

実際にこのLIVEの1週間前に右足首の靭帯損傷をしたので、SS席が立ち見だったが車椅子席で見る事が出来た。つまり何が言いたいかというと私も右足を犠牲にして集まった一人だ。


末尾。

この3つのLIVEで共通したのは観客への感謝と観客がいるから自分がいるという事実。そしてそれを伝えに来たという事。
それぞれコロナ渦で不要とされた音楽LIVEという事に関して向き合った結果、同じ結論に至ったという事だ。
詳細や思い重さなどは違えど、その事実はどうしても伝えたかった。
それを3回も聞くことになるとは思っていなかったから、だからここに文章として残すべきだと感じた。

そして自分の過去と自分の未来が明確になった。
幾度とないこの偶然の様な必然が、私の立ち位置を明確にした。
そしてその先の指針を明確に指した。

そして私は一眼レフを買い直して単焦点レンズを装着し、
フィルム式カメラを携えて景色を撮り続けた。
そしてエレキギターを引っ張り出して、気が済むまで歪ませて、
腱鞘炎になって爪が裂けて血が出るまで弾き続けた。
そして占術研究を続ける事を決め、
そして美術と哲学が大好きな事を思い出した。

BUMP OF CHICKEN
ポルノグラフィティ
TK from 凛として時雨
サカナクション

繋がりの見えないこの人々が、それぞれ私に全てを思い出させてくれた。
そして導かれた道の先で、切っ掛けは核心に繋がった。
だから目的地は決まった。


今はそれを見据えて先へ行く。
その道はもう見えている。




こんな場所で出会えたご縁に感謝します。貴方に幸せの雨が降り注ぎますように。