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共に育つ「まちづくり」。


「まちづくり」と呼ばれる分野で、地元で、地域と関わりながら働いていているのですが、地域に「根差す」ということばがすこしニガテです。

ね‐ざ・す【根差す】[動サ五(四)]《古くは「ねさす」》
1 植物が土の中に根を伸ばす。根づく。「地中深く―・した松」
2 物事が定着する。「環境保護の運動が―・した」
3 そこに基盤を置く。また、原因となる。もとづく。「地元に―・した企業」
goo国語辞書より

なんだか、そこから一歩も身動きが取れなくなりそうで。


地元ではまだ、20代でこういった仕事をしていることが珍しいのだと思いますが、「これからも地元に根差して頑張ってね!」という応援に、このまちから一生出られなくなるような窮屈さを感じてしまうことがあるんです。(・・もちろん、ありがたいお声ではあるんですけどね!)

たしかに、いまブームになっているような「まちづくり」以前のこの分野では、その地に長く暮らしている方が、“市民活動やボランティアとして地域のために活躍する” という意味合いが強かったと思います。10年、20年かけて活動をされている方もたくさんおられます。いまのように、それを「仕事」にしている人は、行政や大手コンサルティング会社くらいだったのではないでしょうか。


ただ、わたしも一応社会人で、一般企業に勤めている友人もいます。行政のサポートは、以前より細部まで行き届いてきたと思います。そんななかでわわたしも、自分のキャリアを考え・描きたいし、ボランティアだけで生きていけるほど世の中は甘くない。また、大金持ちにならなくても、自分が好きなことをするためのお金は稼ぎたいと思っています。(訪れてみたい国がまだまだたくさんあるんです。)

地域にはそういった前提があること、自身がこれからやりたいことを理解したうえでこの仕事に就いたのですが、やっぱりわたしは、ここに根差せないなと思っています。決して生半可な気持ちで地域に関わっているのではなくて、いまの状態で関わり続けた未来がまだ上手に描けなくて。このままだと、ただふわふわと漂っているだけになってしまうから。

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どちらかというと、課題に対して処方箋的な措置を行うことがこれまでの「まちづくり」だったと思いますし、行政が一番やらないといけないサポートはそこにあると思うのですが、一定のサービスが受けられるようになったいま、市民が “共に育つ” ということが大事だなあと思っています。

自分たちのレベルを自分たちであげていく。RPGのようなことかもしれませんが、それぞれがスキルアップし続けることで個々が強くなって、課題ではなく未来にトライしていくような。

そういったことを考えるにあたって、いろんな視点が必要だから「よそ者」や「若者」の意見を聞くことが大事なのですが、いちばん目を向けないといけないのは、やっぱり地元で暮らしている人なんですよね。ここで暮らしている自分たちが、どういうまちの未来を描きたいか。そのためにはなにが必要で、なにをしないといけないのか。

ただ暮らすだけだったらそこまで考える必要はないのかもしれないけれど、そういうことを考えているまちの方がおもしろいと思うんです。たとえば、「地域に続く食文化や祭りを後世に残す」ということもひとつの意思表示になりますし、全てがそのために動いていく。

そういった意思がないまちはおもしろくないし、同一化していくと思うんですよね。国道沿いに大きなショッピングモールがあって、マンションや住宅街が並ぶような。もちろんそれは、万人が暮らしやすいまちなのかもしれないけれど、まちとしてのおもしろ味がなくなってしまう。

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こんなことをここまで書いておいて根差したくないというのはワガママかもしれませんが、わたしにもスキルアップが必要で。地元にいることがダメだとは思いませんが、長く住んでいると見えなくなるものがあることは確かです。

一方で、地域から離れて語れることは少ないと思っています。高校時代までの思い出だけで「地元はこうしたらいいと思うねん」というちょっと的が外れたような助言をいただくこともあります。あなたからしたら微々たるものかもしれませんが、ここで起こっている変化にも目を向けてほしいかな。地元にはもう帰らないと思っているのなら、わざわざ物申す必要はないと思うんです。良くも悪くも、コミュニケーションの仕方が全然違いますから。

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いまは、やりたいことに近いところにあるお仕事をさせていただきながら、自分自身がいい塩梅で地元に関わる方法と、よその人がいい塩梅で地元に関われる方法をもう少し形づくっていきたいと思っています。まだはっきりとは決まっていませんが、それは、場かもしれないし、サービスかもしれないし、イラストかもしれない。

またもや、とりとめもない話になってしまいましたが、地元にあたらしくできたコミュニティスペース&カフェにふら〜っと出かけたらおもしろい出会いがたくさんあったので、そんなことを考えてました。

ゲストハウスをやりたいというご相談がちらほらあるのですが、誰かそろそろほんとうにやってくれないかな(笑)。1町1宿で、巡りながら地域のことを知れたらおもしろいと思う。


これまでが根をはる「まちづくり」だとしたら、いまは幹を太くしながら枝葉をのばす「まちづくり」。近い将来には実る「まちづくり」のフィールドができていたらいいなと思います。

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本日は、MATSU*ぷちゴンさんのイラストをお借りしました。すてきなイラストをありがとうございます!


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