マハナイム─日本人の慎みと感謝の仕組み
地名を聞くと想起させられる事柄がある。
有名な特産品であったり、歴史的な出来事であったり。
ヤコブはハランを出てヨルダン川の支流のほとりにあるマハナイムに到着する。“2つの宿営”という意味を持つ。
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20年前、77歳であったヤコブは逃げていた。この先どうなるのだろう。兄エサウから祝福を奪ったことで憎しみを買い逃亡者になった。祝福を受け継ぐ者になったとはいえ、今手にあるものといえば杖だけだ。ヤコブはベエルシェバからハランまでの1000キロに及ぶ遠い道のりを歩きはじめて3日になる。日が暮れたので枕となる石を探す。野原のゴツゴツした場所で硬い石を枕に横になる。惨めさが込み上げてくる。この先どうなってしまうのだろう。
これがイスラエル国民の祖の始まりであった。
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申命記26:5
あなたはエホバ神の前でこう言わなければなりません。『私の父祖は各地を転々とするアラム人で,エジプトに下り,少数の家族と一緒に外国人としてそこにとどまりました。しかしそこで,強くて数が多い,強大な国民になりました。
“各地を転々とする”という部分は、“滅びゆこうとする”と訳せるかもしれないという脚注がある。
ホセア12:12,13
ヤコブはアラムの領土に逃げた。イスラエルはそこで妻を得るために仕えた。妻を得るために羊の番をした。エホバは預言者によってイスラエルをエジプトから連れ出した。イスラエルは預言者によって守られた。
イスラエル国民の始まりは世に誇るべきような始まりではなかった。アラムでもエジプトでも奴隷の立場であった。
ベテルで見た夢のとおり神が天使たちの働きを通してヤコブを支えてこられたのでヤコブは豊かになっていった。そしてこのマハナイムで遭遇した天使たち、つまり神の宿営が自分に関係する神のご意志のために忙しく働いていることをヤコブは実感した。ここでヤコブはエサウが400人を引き連れてこちらに向かってくるという知らせを受け取る。その時、この地名とともに銘記すべきヤコブの名言が誕生する。
創世記32:10
あなたは私のような者に揺るぎない愛を示し,支え続けてくださいました。私がヨルダン川を渡った時には杖しか持っていませんでしたが,今では宿営が2つになりました。
この慎みを持って神と歩む精神がイスラエル国民のあるべき姿勢として据えられた。それは感謝を生じさせる。
創世記33:5,11
「神が私に授けてくださった子供たちでございます」
「神が恵みを与えてくださり,私は必要な物を全て持っています」
申命記8:17,18
もしあなたが,『自力で,自分の手の力で,この富を築いた』と心の中で言うようなことがあれば,次のことを思い出しなさい。あなたの神エホバが,力を与えて富を得させてくださっているのであり,
ホセア12:6-8
「神のもとに戻れ。揺るぎない愛と公正を守れ。希望を抱いていつも神を待て。 7 貿易商はごまかしのはかりを手にし,だまし取ることを楽しむ。 8 エフライムは言い続ける。『私は金持ちになった。富を築いた。私の労苦の中に悪や罪を見つける者はいない』と。
希望を抱いていつも神を待つ
傲慢であるなら不平を、
謙遜であるなら希望を。
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