弱点の先にある総合力
パリ五輪の卓球を追いかけている。
といっても、みはじめたのはつい2日前だが。
昨夜は男子・女子ともに団体の準々決勝がおこなわれた。
男子は台湾をゲームカウント3-1で下し、女子はタイにストレート勝ちだった。
わたしの卓球経験といえば、学校の授業やスポッチャで多少遊んだことがある程度だ。
ラケットに球が当たらないし、運よく当たったとしてもコートに入らない。
「とても難しいスポーツ」とインプットされている。
世界のトップを決める試合ともなると、もはやスローモーションでみても速い。
映画『ピンポン』で窪塚洋介さん演じるペコが「反応、反射、音速、光速!」とつぶやいていたが、まさにそのセリフどおりの世界だ。
素人のわたしからすれば、卓球選手の動体視力と反射神経はもはや野生動物並みだと思う。
そして卓球選手って細身のイメージだけれども、実は太ももがかなりがっしりしている。
ウェイトトレーニングもメニューに含まれているのだろうか。
そうした身体能力や運動能力の土台のうえに、技術や心理戦が乗っかってくる。
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昨夜印象に残ったのは、男子の4ゲーム目に出場した張本智和選手だ。
解説者が「張本選手は総合力で勝つ選手」とコメントしていた。
世界の頂点を争う試合ともなれば、ちょっとの隙も弱点もあってはいけないし、あれば準決勝まで勝ち上がれないだろう。
それでも「総合力」が強みというのは、やっぱり並々ならぬと思うのだ。
もし自分が「強烈なサーブを強み」とする選手なら、サーブのターンで確実に得点していく戦略になるだろう。
カウンターが得意なら相手選手の「決めにくる」返球が逆に狙い球となるのだろう。
総合力というのは、どんな球にでも対応できる高い技術を持ったうえで、刻一刻と変わる戦況のなかで相手の裏をかき、相手の嫌がることを次々考えていく力に長けているといえる。
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スポーツでも仕事でも勉強でも、まず体力・能力・技術の「基礎」を身につけて、そこから強みをどんどん伸ばし、弱みを克服するところまではある程度の人が取り組むだろう。
そこからさらに場数を踏んで「対応力」と「洞察力」を磨きあげることで、ちょっとの隙もない次元にまで登りつめられるのだと思う。
世界トップ選手とわたしのような凡人をくらべる時点でお門違いな話だが、自分はこれまで強みの強化ばかり取り組んできたように思う。
だって苦手なことはやりたくないもんね。
「やりたくないことを避ける」力にはじゃっかん長けているといえるが、張本選手をみてぼちぼち弱点の克服にも取り組まなければいけないような気がした。
総合力なんて、まだまだ先だ。
そこにいるのに対戦を避けてきた「苦手」と向き合うときなのかもしれない。
今ある体力・知識・経験・技術を総動員して、どんな戦略を立て、どう打ち克っていこうか。
残り半分を切った夏休みの宿題だ。
今日も読んでくれてありがとうございます。
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