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主人公はいつだって

映画や小説に出てくる主人公たちは、無鉄砲である。(無鉄砲であるから主人公なのだけれど)

彼らが何かに駆り立てられたら始まりだ。もう後先なんて考えない。

すぐに学校を飛び出す。家を飛び出す。叫ぶ。泣く。笑う。傘も持っていない。鍵もかばんもない。彼らは感情に任せて走り出す。彼らに荷物なんていらないのだ。

周りなんて見えていない。体いっぱいのエネルギーを惜しみなく動力に変える。気持ちいいくらいの主人公力である。

そんなことをしてみたいと思った。

まあ、映画や漫画の見過ぎである。

私は何かと荷物が多い。

「学校をエスケープ?」えっと、荷物って持っていくの?あ、持ってかないの。エスケープってどこ行くん?そのあと学校に戻る?え、そのまま帰る?宿題どうするんよ!できひんやん!

恐らくこういう具合である。(エスケープなどやったことがないのでわからないが)

荷物や守るものが多いとすぐに動けないのだ。

何かを思い立っても、すぐには動けない。まず立ち止まってよく考える。私は荷物が多いもので、機動力がよくない。いろいろ考えていたら、もう空は薄いオレンジ色をしている。

重いリュックを肩から下して、鍵も持たずに走り出したい。「このあとどうなるんだろう」とか、そんなことは一切考えずに家を出るのだ。極端すぎるだろうか。いや、でもいつか私が荷物を持たずに走り出せる日が来るように。




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