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📕 | ペンギンの憂鬱 ④🔚

📚 ペンギンの憂鬱
✍️   アンドレ・クルコフ
🌟 p.136〜p.316(読了)
👩🏻 読んだところまでネタバレ感想

のんびりペースで読んで、大体4日くらいで読了。

この数百頁の間に、預かっているソーニャのシッターを友人のセルゲイの姪・ニーナにお願いし、主人公・ヴィクトルは自身の孤独から成り行きで彼女と体の関係を持つ。
この流れ、少し村上春樹に通ずるもの有りな気がする。

年頃の女性、小さな女の子、ペット、そして自分。
まるで家族みたいじゃないかと、不安定な中に安寧を見出すが、それは疑似家族。義務があっても愛がない事に、もう彼は気づいている。

そのうち、とあるきっかけから、
ペンギンのミーシャに、ある葬儀に参加してほしいという事で、一回1,000ドルでミーシャを貸し出す事になる。
理由はわからない、が、ヴィクトルのコラムの原稿料が一つ300ドルである事を考えるとやりきれない思いもあった。
そんな暮らしを続けていたら、ペンギンは病気になってしまう…。

ここまでの過程を経て、どんな結末を迎えるんだろうと、まるでミステリーを読んでいるかのようにドキドキした。

〝ペンギン〟という突飛な生き物の存在によって、つい、見落としていたマフィアや国家安全グループの存在。
ソ連崩壊後のウクライナの情勢は、ありありと描かれている事と思うが、私には何もジャッジ出来なかった。

1つ分かった事は、ヴィクトルはペンギンのミーシャで、ミーシャはヴィクトルだったという事。
ソ連、又は動物園から解放されても、自由に生きられなかった2人だった。

ニュースを見ても、私は日本やその他目にしてきた国々の、その時の平和な様子ベースでしか考えられない。
安全しか知らない。
何か大きなものに巻き込まれている自覚もない。
だから月並みだけれど、本を読むと世界が少し広がって、共感できるようになると思う。
いつでも共感できる人でいたい。

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