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#アリストテレス
3.差異 4.類似性(一巻16,17,18章)〈アリストテレス『トポス論』岩波新版 第一巻 頁60-65読書録8〉
3.差異(一巻16章)
「種差のことは、当の類そのもののうちで相互に比較して考察しなければならない」
ex.
徳(アレテー)の類に属する、思慮(プロネーシス)、勇気(アンドレイア)、節制(ソープロシュネー)、正義(ディカイオシュネー)において、何によって思慮は節制と、正義は勇気と異なっているのか。
「あまりかけ離れていない類の間でその一方の他方に対する違いを考察しなければならない」
ex.
2.多義性(一巻15章)〈アリストテレス『トポス論』岩波新版 第一巻 51-60頁 読書録7〉
※未完成、とりあえず形にしただけ。加筆修正中1.13.21.1:17
0.多義性とは、本稿における簡便な表現
勇気(徳(アレテー)に属する)と健康的なものは、別々の意味において「善い」と言われる(「勇気は善い」のときの「善い」と「健康的なものは善い」のときの「善い」は意味が異なるということ)。前者はそれ自体ある性質であることによって善く、後者は何かを作り出しうることによって善い。
本稿では簡
1.命題採集(一巻14章)〈アリストテレス『トポス論』岩波新版 第一巻 46-50頁 読書録6〉
問答法的議論の種類
i..推論
→その中でいくつかのことが措定されることによって、それらの措定とは違う何かが必然的に、それらの措定を通じて、帰結するような議論(22頁)
ex.
「思考するものは存在する」と「私は思考する」という二つの措定から、「私は存在する」という、それら二つの措定とは別のものを帰結する議論。
→より強制力があり、争論家相手により効果的
ii.帰納
→個別から普遍に至る道筋
「問答法的」とは〈アリストテレス『トポス論』岩波新版 第一巻 40-46頁 読書録5〉
「問答法的」と呼ばれるものに、命題と問題がある。では命題と問題について、どんなときどんなものが「問答法的」であり、またそうでないのか考える。
1.問答法的命題まず、問答法的命題とは呼べないものから示し、問答法的命題と呼べるものの輪郭を示す。
必ずしも全ての命題が「問答法的」であるわけではない。なぜなら、一般的な考え(エンドクサ、通念)に反することのない自明なもの(ex.「カラスは黒いものである」
述語様式の区別基準〈アリストテレス『トポス論』岩波新版 第一巻 37-40頁 読書録4〉
4つの述語様式(定義 固有性 類 付帯性)の区別の基準全ての命題は主語と述語を換位できるか否かのいずれかだ。
換位とは、「鳥は翼をもつものだ」から「翼をもつものは鳥だ」への操作、またはその逆も然りの操作。ちなみにこの場合前者は正しいが、後者は正しくなく、なぜなら翼をもつものは蝶や飛行機など鳥以外にもいるからだ。
まず、互いに換位の関係にある両命題がいずれも正しい状態を「換位できる」と規定してお
「同じ」の多義性〈アリストテレス『トポス論』岩波新版 第一巻 33-36頁 読書録3〉
「同じ」の多義性i.数の上で同じ→複数の名称をもちながら事物は一つであるもの
ex.
明けの明星と宵の明星
dogと犬(いぬ)とhundと狗
→最も異論の余地なく同じと言われる
i-1.最も本来的で第一義的な仕方で数の上で一つということを表すのは、名称または定義によって同じということが示される場合
ex.
明けの明星と宵の明星が同じ
人間と二足の陸棲動物が同じ
犬とdogが同じ
i-2.二次
述語様式〈アリストテレス『トポス論』岩波新版 第一巻 29-33頁 読書録2〉
4つの述語様式1.定義本質を示す説明規定(本質規定、ロゴスのこと)を「定義」と呼ぶ。
i.名称の代わりに本質規定が提示される場合
ex.
「人間」と呼ばれる定義対象に対して「二足の陸棲動物」という本質規定を与えて定義する場合
ii.本質規定の代わりに本質規定が提示される場合
ex.
「二足の陸棲動物」という本質規定によって示された定義対象に、それとは別に「理性的動物」という本質規定を与えて定義す
序論〈アリストテレス『トポス論』岩波新版 第一巻 22-28頁 読書録1〉
1.トポス論の目標→エンドクサ(一般的な考え)をもとに推論するためのメトドス(探求の道筋)を発見すること
まず、推論とは何かということとその種類について語り、問答法的な推論を理解しないといけない。
2.推論と論証いくつかのことが措定されることで、それら措定されたものとは別の何かが、それらを通じて必然的に帰結するような議論を「推論」と呼ぶ。
「真にして第一の事柄」をもとにそこから成り立っている