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WORK SHIFTの近未来予測を読み返してみて

2012年に発刊された『WORK SHIFT』。
英タイムズ紙にて”世界のトップビジネス思想家15人”に選出された組織論学者のリンダ・グラットン氏によって2025年の近未来予測が描かれていますが、2024年の現在では的中していることが多く驚きばかりです。
だからこそ、10年以上前から必要とされている、これからの社会変化を考える材料となりますので、未来の働き方や仕事を考えたい方へお勧めです!
本書のポイントをまとめてみましたのでご参考となれば幸いです!

概要

・未来を予測する5つの要因(①テクノロジーの進化、②グローバル化の進展、③人口構成の変化と長寿化、④社会の変化、⑤エネルギー、環境問題の深刻化)をテーマに解説。
・1990年代以降のテクノロジーの進化によって仕事の時間の細切れ化が進み、多忙な日々を過ごすようになり、学習する能力が損なわれ、遊びの要素が入り込む余地が失われることを警鐘。
・1995年以降に生まれたZ世代が世界中の企業で中心的な役割を担いはじめ、インターネット利用率の高さによって、国際問題に触れることが増え、持続可能な社会やライフスタイルを目指すことが当たり前になっていく。
・多くの分野について少しずつ知っているゼネラリストを脱却し、いくつかの分野について深い知識と高い能力を蓄えるシフトを遂げることが重要になっていく。
・インターネットによって人間関係資本を築く方法が飛躍的に拡大していく。

 

Point①:テクノロジーの活用度合いによる生産性の差が拡大

仕事の時間に追われる日常の中で、当時はセキュリティ面で危険視されていたクラウドやAIといった新しいテクノロジーの普及によって生産性が急激に高まっていくことが予測されており、驚くほど的中しています。
実際に2023年からChat-GPTが注目を浴びていますが、作中でもテクノロジーに自己投資することが当たり前になり、所属している会社に用意してもらうのではなく、自らのテクノロジーの活用度合いによって差が大きくなっていくことが描かれています。

Point②:埋もれる才能の開花

インターネットの普及が加速していく中で世界中の人と繋がりやすくなり、生まれ育った環境による経済的な障壁が低くなり、ニーズのある専門技能の連続的習得やセルフマーケティングの努力によって誰もがチャンスを得ていくとされています。
同時に、これまでの安定が揺らぎ、不安に苛まされやすくなり、努力の多寡による幸福感の格差が広がっていくことが警鐘されています。

Point③:新しいコミュニティ概念の台頭

転職や起業、リモートといった働き方の変化、SNSやメタバースといったプラットフォームの浸透によって、新しい人との繋がりが形成しやすくなるにつれ、不信感の高まりによって孤独を感じやすくなり、新しいコミュニティ概念が増えていくと予測されています。
重要になっていくと説かれている人的ネットワークは下記の3つがあります。

・ポッセ:同じ志をもつ仲間
・ビッグアイデア・クラウド:大きなアイデアの源となる群衆
・自己再生のコミュニティ:頻繁に会い、一緒に笑い、食事をともにすることにより、リラックスし、リフレッシュできる人たち


また、アップルiPhoneやセールスフォースのアプリ開発のように、プラットフォームを有するメガ企業と、ミ二起業家のコラボレーションが当たり前になっていくことも予測されています。

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