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理想に近づくためのキャリアプランニング10訓

1年は8,760時間。
平均的な営業日は年間245日であり、1日に通勤含め10時間働いているとすると、
1年間における仕事に投じる時間は、2,450時間で年間の約27.9%を占めます。
ワークライフバランスを大事にすれども、これだけの時間を費やす仕事が、自分の人生にとって、プラスなのか、マイナスなのか、希望の持ち方一つで幸福感は変わるのではないでしょうか?

だからこそ、自分自身が熱中できる仕事、理想のライフプランに繋がる仕事を選べる市場価値をつけていくことが大事です。

しかしながら、労働人口減少の時代。
努力を重ねてきた人ほど選択肢を持ちやすい一方、情報過多でむしろ選択難易度が高い。
加えて、上場できるほどの成長性を有する企業は年間100社前後かつ、組織は人の集合体である以上、自分の価値観に合った組織を探すとなると更に有数です。
そして、検討基準を持たなければくじ引きのように確率論が左右されてしまいます。

※筆者作成

そこで、理想の選択肢を手に入れるキャリアプランニングための10のチェックポイントを整理します。

1.スキル希少性

check)自分のスキルはいつまで希少性があるのか?

良いサービスは市場から評価されて伸びていく共に模倣した後発プレイヤーが生まれて、コモディティ化していくように、価値が高いと評価される仕事は必ずコモディティ化します。
コモディティ化=代わりがいくらでもいる状態であるため、自身の培っているスキルがどの程度の希少性があり、いつまで希少性を保てるのかを考えることが重要です。
例えば、DXニーズに応じてITコンサルが急激に増えていることによって、ITコンサル経験者は珍しくなくなってきています。ITコンサルの加えて、分業も進み、ITコンサルの中でも希少性の高いスキル(PMOなど)を持てている人材はごく一部となっています。

例)かつてはIT営業スキルが珍しくSaaSで重宝されていたが、今ではSaaS×マネジメント×新規事業経験などのスキルの掛け算が希少性になってきた。

2.経済合理性

check)収益性が高いビジネスモデルかつ組織か?

利益貢献を2倍にしようとも多くの企業では給与は昇給やインセンティブで還元されども2倍になりません。
なぜなら、給与はコストであり、その他会社コストと合わせて原資が検討されるからです。
利益貢献はあくまで企業から必要とされ続ける価値であり、給与の直接的な原資ではないため、個人ではコントロールできないビジネスモデル上の収益性が高いか、平均的な生産性が高い組織かで経済合理性が左右されます。

例)個人収支が赤字のメンバーが多い企業は黒字の成果を出しているメンバーの利益貢献で給与原資を補完している。

3.外向性

check)市場のトレンドを知る機会を得られるか?

緩やかな変化に気づかず致命傷を負うことを示すゆでガエル理論は、自身の仕事の価値を把握するために重要な視点の一つです。
他組織は面白みのない均質的な組織に見え、自組織は個性がある組織に見えるとの外集団同質性バイアスが、自社の価値に誇りを持つ伝統的な企業ほど生じますが、仕事の価値を決めるのはサービス提供側でなく享受側です。
そのため、視点が内に閉じていると、需給バランスに気付かずに置いて行かれてしまうため、社会の動きを知る機会を得ることが重要となります。

例)自社のコンサルフレームワークに感謝している顧客が多く、そのためのスキルを伸ばしていたが、直近数年は新規顧客が増えていない。

4.参入タイミング

check)市場はこれからどの程度伸びていくのか?

組織は個人の都合では全てを決められない以上、機会の獲得は必然的に組織の成長性によってチャンスが異なります。
そのため、今既に伸びている市場よりも、今はニッチだがこれから数十倍に伸びるタイミングの方が、より多くの機会を得られやすくなります。
個人事業主ではなく会社に所属するメリットは失敗しても何とかなることも挙げられるため、万が一失敗しても評価が下がるだけのため、機会に挑戦した人ほどタグを得られます。

例)コンサルではマネジメント昇格が空き次第だが、新興産業のWEB3では年次や年齢に関係なく実力で勝負ができる。また、業界のオピニオンリーダーになりやすい。

5.汎用的スキル

check)どんな組織でも必要とされる汎用的なスキルを身につけられるか?

生成AIの実装などテクノロジーの急激な進化と浸透のタイミングを読むことは難しい。
例えば、生成AIの実装化はコンサル職で重宝されるドキュメンテーションスキルやエンジニア職のプログラミングスキルに影響を及ぼします。
全ての仕事は賞味期限があるとされるものの読めず、バックキャスティングでキャリアプランを考えることは難しいため、調整力や学習力、交渉力、関係構築力、目標管理力など、どんな組織でも必要とされる汎用的なスキルを磨いた方が安全です。

例)新規顧客との関係構築にチャレンジできる機会が多い方が、どんな組織でも必要なスキルを磨ける。

6.人的ネットワーク

check)人の繋がりは広がり増えていくのか?

働き方が多様になっている時代において、さまざまな場面に対応していくには、人的ネットワークが有効になります。
そのためには、認知される、応援される、頼りにされると、自分の名前で生きることが必要となり、自分のオリジナリティな感性や専門性が伝わるように、自分を発信する勇気と受け取る相手を増やせる機会が必要です。
人的ネットワークを構築していくことは、エネルギー、時間、そして時にお金がかかり、目的なしに維持することは難しいことに注意しなければなりません。

例)取引先と仕事のやり取り外もSNSで繋がる機会があると個人としての特徴が伝わりやすくなる。

7.自律性


check)自分だからこその実績を作れているか?

雇用関係はパフォーマンスに対する報酬と等価交換は前提となるため、パフォーマンスの再現性が求められるスキルとなります。
注意点は、プロセスの工夫が伴わない実績は、自分のスキルではなく、一緒に働いたことがない採用側からすると、その会社にいたから出せた実績として見られることです。
例えば、マネジメントは一定の文化の影響で管理のしやすさが変わるため、管理スキルだけでは他の組織で通用しないことがあります。
リーダーシップやビジネスの嗅覚、美徳、人の欲求を見抜き動機できる力など、自分ならではのやり方で自律的に実績を出せなければ、会社に依存してしまっているのではないでしょうか。

例)自由度が高いと何から手をつけるべきか緊急度と重要度が分別できず、多くの時間をかけたが成果が出せない。

8.事業成長性


check)市場にニーズが存在して実績を出せる成長性があるか?

仕事は誰にどうやってどんな価値を届けるかで対価として報酬を受け取ります。
そのためマーケットインではなくプロダクトアウトで提供していて、そもそも市場のニーズが少なければ、どんなに努力をしても負け戦になります。
事業ドメインは個人では決められず会社方針次第であるため、市場に勝ち筋があるかは個人キャリアにおいては大きな分岐点になります。
また、組織マネジメントの方針も個人ではコントロールが難しい要素ですが、サービスプロフィットチェーン理論に示されるように、従業員体験を重視する組織は顧客体験に還元され、事業成長に良い影響が出るため、組織文化も追い風として大事な観点となります。

例)新規事業を担当できているが、予算も少なく会社戦略上と軽視され、赤字が続いている状態ではがむしゃらに働いても個人の実績が作れない。

9.自己変革


check)過去の自分の価値観だけでキャリアを描いていないか?

自分探しの罠という言葉に表わされるように、自分の中で理想を探そうとも見えてくるのは、過去の自分が見てきたことのみです。
計画的偶発性理論では個人のキャリアの8割は偶然から作られるため、主体的に変化を受け止めていくことが、むしろ理想的なキャリアデザインに近づいていくとされています。
「自分らしくない」と感じる現実を避けようと自己変革を逃してしまうと、等価交換の前提となるGIVE&TAKEができずに、自分を必要としてくれる存在が限られていくことを気をつけなければなりません。

例)几帳面な性格上、周囲の仕事の進め方の雑さが許せずに憤って他の環境を探していても相手やオペレーションを変化させる、もしくは自分の許容度を変えなければ同じ壁にぶつかりやすい。

10.継続力


check)安易に転職を考えていないか?

売り手市場の追い風もあり、転職の敷居が下がっていますが、上手くいかないことを乗り越えるチャレンジをせずに環境を変えることには注意が必要です。
ポジティブな目標を果たすためではなく、現状から逃れる手段として転職を選択していると、壁にぶつかる度に転職を繰り返す悪循環に陥り、ジョブホッパーとして見られてしまいます。
人生は一度しかないからこそ、転職は人生の投資だと考え、合理的な意思決定をすることが大事なのです。

例)自分ではなく周囲の抜擢に対して納得感が持てず不満があっても、自分の伸び代に向き合い成長した方が自分の人生における選択肢は広がる。

※他に、キャリアに関する推薦書籍をまとめた記事、市場のトレンドを考察したマガジンを執筆していますので、ご関心をお持ちいただいた方はぜひご覧いただけると幸いです!

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