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ささやかな日常#42 映画(マイルスデイビス:クールの誕生)

こんにちは。映画の紹介です。こちらは日本では劇場公開されていないものをNetflixで配信しているドキュメンタリー映画です。

当時の映像や写真を公開しながらシーン別に関係してきた人物が当時のことを語ってくれています。マイルスデイビスはトランペット奏者(私はジャズのイメージしかなかった)、クラシック音楽が根底にあり自らが実験材料になり「常に新しい音楽」を求めステージという名の実験室で研究に邁進したオタクだった。ただひたすらに日常で受けとる全てのものを自分で咀嚼し音楽で表現する美しいオタク。観終わった後にそんなふうに感じた。心に残った言葉やシーンを共有しようと思います。

【タイトル】マイルスデイビス クールの誕生

【お気に入り度】★★★☆☆

【心に残ったこと】
 ・若い音楽家を引き連れて毎晩ステージに立ち音楽を生み出していたシーンで「創造力と才能はどんな芸術表現でも年齢とは関係ない、あるかないかだ。年月では得られない。」
・毎晩ステージで「新しい音楽」を生み出すための実験をおこなっていた際にメンバーに言った決まり文句「ステージの上で生きろ、客前で生み出せ、経験に頼るな」
・一緒に演奏していたメンバーが当時を振り返って「マイルスは若い世代の大切さを察知していたはずだ。未来を見る男だからね。」と語っていた。
・マイルスの息子が家でのマイルスの様子を「過去のレコードの話はしない、家にも置かない、今しか見てなかった」と語っていた。
・マイルスは長らく体調が優れなかったがそんな中でも絵を描き始めた。その時にお付き合いしていた画家の女性が「神が罰を与えてもそれは無意味な罰はない。必要なことを与えられたと捉える。自分には残された時間がないんだ。」と今を必死に生き抜くマイルスの姿を語っていた。

【感想】
意外過ぎた。音楽家のドキュメンタリーや再現映画は成功の裏側で大抵トラブっている。人間関係(裏切り、暴力、絶縁…)、社会問題(貧困
、差別…)お金、薬物、病・・・マイルスも人間関係、薬物、病に苦しんでいた。それは検討がついていた。だけど「音楽」への探究心が死ぬ間際まで枯渇することなく輝いていたように見えた。その姿にとても感動した。そして生きるうえでの目線がほんの少し前方だったように感じる。足元でもなく遥か先の方でもない。数メートル前方だった。その姿が地に足のついた音楽を探求する美しいオタクという印象をもたらした理由だ。

この映画を見る前に「ニーナ・シモン 魂の歌」も観た。
ニーナも同様に人間関係(暴力)、社会問題(貧困、差別)、病(うつ、セックス依存)に苦しんでいた。
そして2人とも人生のどん底にいるときに手を差し伸べてくれる人がいた。
不思議だった。人生って本当に不思議だと思った。
ニーナの歌「Ain’t Got No,I Got Life」
前半はずっと「〇〇がない」と歌う。後半になったら「〇〇がある」と歌う。
笑顔があると歌う。私は生きていると歌う。(私には命がある)
私の話だが実はここ最近体調が優れなかった。
そんな時に観たこの2つの映画。正直、重たかった。
体調も気分も落ち込んでいたが「私は生きている」と思えた。
よし、床の雑巾掛けをしよう。
夢中に床を磨いた。
気持ちが少し晴れた。
そこから毎日ちょっとずつ自分の体調が回復しているのがわかる。
目に見えていないところで回復しようと奮闘してくれている。わたしがわたしにありがとうと言葉をかけている。ありがとう、わたし。フレ、フレ、わたし。

は!長くなっちゃいました。
では、さよならさよならさよなら By淀川長治さん笑

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