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今日ときめいた言葉46ー「わたしたちが文章を書くのはなぜでしょう。他者に何かを伝えたいからです」

(2023年5月16日付 朝日新聞 「新聞記者の文章術」編集委員 近藤康太郎氏の記事から)

記事はさらに続く。

「たとえ独り言のような日記でさえも、他者(例えば未来の自分)に伝えたいから、人は文章を書くんです。言葉は、原理的に他者を必要とする。人間とは、他者に生かされる生きものなんです。そして、他者はわたしに興味がない。厳然たる事実です。<わたし>なんて、そんなたいしたもんじゃない。うぬぼれるな」

今の私の心を射抜く言葉である。あまりに正鵠を射ていて、返す言葉が見つからない。

「他者はわたしに興味がない。厳然たる事実です」

ここまでスパッと言われると小気味いい。すがすがしい気分にさえなる。まず文章を書くにあたって、この厳然たる事実を肝に銘ずることが出発点だ。そして、ひょっとしたら目にとめてくれるかもしれない他者を想定して、文章を書く。

うまい文章やこった表現などではなく、平易で読みやすい文章にこだわって書く。そもそもそんな文才を持ち合わせていないことは、十分認識しているのだから。
今日もときめいた言葉を誰かに伝えたくて書く。

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