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今日ときめいた言葉91ー「すべてはビートルズから始まった」・・・新曲発表に思う

(タイトル写真はwww.i-bcc.jpから転載)

残念ながら私はビートルズと同じ時代を生きた人間ではない。いわば「遅れてきた青年」、いやおばちゃんである。先日NHKの番組「映像の世紀 バタフライエフェクト」でビートルズを追体験して、「すべてはビートルズから始まった」という言葉に強く共感した。

(下の映像はYouTubeより転載)

彼らは彼らの作った歌で、イギリスの階級社会を揺さぶり、アメリカの人種差別政策にNOを突きつけた。そもそも彼らの原点はアメリカの黒人歌手が歌うロックンロールだったわけだから。ジョン・レノンもポール・マッカートニーも黒人ロックンローラー、リトル・リチャードの歌う”Long Tall Sally”(邦題のっぽのサリー)に惹きつけられ、自分たちの進むべき道を決めたと言っている。

ビートルズ人気は世界中を席巻し、やがては旧ソビエト連邦の国々で「歌う革命」となって独立の機運を目覚めさせ、ついにはソ連邦の解体にまで至る。ゴルバチョフ大統領はビートルズのファンであったそうだ。2003年にポール・マッカートニーが初めてモスクワの赤の広場でコンサートを開いた時、対面したゴルバチョフ大統領は「もっと早く会いたかった」と言っている。ビートルズを知ってから40年近く、ロシアの人々は「やっと本物に会えた」と感無量の様子だった。

8年の活動期間を経て1970年に解散しているが、200を超える名曲を発表した。活動期間中はその熱狂的な人気の故、思いもよらぬ誹謗中傷や不本意な出来事に遭遇したが、解散後5年、死の5年前、ジョン・レノンがフランスのインタビューで語った言葉には、その期間中彼が抱き続けた思いが吐露されている。

全文引用:

「僕が気にいらなかったのは、僕たちが何かをリードしているという主張だった。60年代は“新しい世界を発見しに行く船”だった。そして、ビートルズはその船の見張り台に立っていただけだ。僕たちは“Land Ho!”(おーい陸地だぞ!)と叫んだ。それだけだ。僕たちが何に貢献し何に貢献しなかったか、僕にはわからない。人それぞれビートルズから受けた影響の度合いは違うだろうしね。

言えるのは僕たちの世代が全員で60年代という船に乗り新しい世界へ行ったということだ」

同時代だったら見えなかったものが見える。喧騒が静まり空中を舞っていた埃が消えてしまうとくっきりとその姿を見ることができる。リバプールの労働者階級生まれの彼らが、誰かが作った価値観や規範や慣習に対して声高に異議を唱えるのではなく、彼らの作った歌でそれを行なった。ビートルズの歌と共にその変化は世界中に広がって行った。だから、

「すべてはビートルズから始まった」

最近発表された新曲 ”NOW AND THEN”    (YouTubeより転載)


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