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だれかの恋物語

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だれかの心に少しはあるはず あの瞬間 あの思い出 その気持ち
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#ポエム

君の

踏切の音
肌を刺す温度
耳に届く かすかな誰かの話し声
左手の暖かさと
きっと
一生
忘れない あの朝靄 空気の色

もう2度と確かめられない何かを
それでも
2度とない温かさを思い出して

あと少し
あと少しだけ
ここからあなたを見てみたい

遠い昔の私が知らなかったものを
忘れた頃の私が
手に入れる

1番欲しかったものに触れてみたら
ただ
心地よい温かさだったことを
教えてあげた

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たとえばそれが

たとえばそれが

さっきまで見ていたあなたは
見たことあるような仕草と
見たことなもない仕草と
触れられそうで
届かない

その笑いかた
その話しかた
その見つめかた

昨日のように思い出せるけど
本当は新しいあなたをもっと増やしたい

悲しい時や
怒った時も
一緒にいられたらいい

目覚めて初めて
さっきまで隣にいたあなたは
夢だったと少し驚いて
いくつかホッとする

あんなさよならはいらない

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言葉の向こう

言葉の向こう

クルマの バイクの走る音
誰かの小さな話し声
赤信号の点滅の音

真夜中の音

先ほどずいぶん傷ついたあたしは
眠れもしないで
考えている

歩きながら考えている

息は白く
月は霞み

街の光に
ひとり

すれ違う犬

数々の瞳

あたしの嫌いなとこ
きらいなとこ

あなたが味方でいてくれると
感じながら

夜道を歩く
歩く

ひとり

とける氷

とける氷

ゆめ
クリスマスの二日後
今年の終わり

もう何年も思い出していないひと
けれど、いったん思い出すと
するすると美しく滑り落ちてくる
おとや匂いや色かたち

そんな風に
私の中に今も響いている人

そのひとが夢に出てきた朝は
とても寒くて
とても心地よく
とても明るい朝

彼の胸で割れた
身代わり守りは
私のそれと全く同じはずなのに
異なる色で
代わりに差し出した私のお守りを
静かに拒む

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あの日

あの日

たくさんの悲しいことを生んだ出来事でさえも
私の奇跡の出会いの始まりだったりする

お互いの小さな決断がひとつでも違っていれば
私たちは会うこともなく
話すこともなく
あの清々しい時期を共にすることもなかった

今までの誰よりも強くそう思えるのは
大きな決断ばかりのあなたの人生に

ほんの一瞬でも出会えたことを
あれからずっと
毎日考えているから

いつか
じゃなくて
あの時でよか

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