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PERFECT DAYS

先日、久しぶりに映画を観てきた

観た映画は「PERFECT DAYS」

実は私は映画の存在すら知らなかったのだが年明けにフィレンツェのNovella友人のFrancesca から「PERFECT DAYSをみたよ。次回会ったら【木漏れ日】について教えてほしい」とメッセージが届いて映画を知った

「木漏れ日について」ってどういうこと???知らないの?
イタリアにも木々があって木漏れ日もあるじゃないかと思ったが、どうやら「木漏れ日」とは日本語にだけある表現のようで、またそれに想いを馳せる感覚も日本人がゆえらしい

虫の鳴き声を「虫の音」と称して楽しめるのも日本人ならではと何かで見たのでそれに似た感覚なのか?


☆映画「PERFECT  DAYS」


ネタバレしない程度に書くと

映画は公衆トイレの清掃を仕事とする主人公「平山」(役所広司さん)のなんでもない日常のルーティーンが淡々と続く内容

これから観るであろう人のために詳細は書かないが、その他人にとっては「なんでもない」「繰り返される同じような日常」が平山にとっては「パーフェクトデイズ」なんだと言うことかなと個人的に思った

傍目にはわからない「些細な」出来事一つとっても、当人には胸打たれることであったり憤りを感じることであったり

本人にしかわからない「パーフェクトな日々」

それは、平山に限らず私たちもそうだなぁと思う。

☆映画から感じたこと


なにか特別なことがなくても、日々を「自分として」一生懸命生きていることが「パーフェクト」なんだということ

「人に誇れるものが自分にはない」って思う人もいると思うが、「毎日を生きてる」ことだけで充分「誇らしい」と思った映画だ

まだしばらく、上映しているようなので是非観てもらいたい映画だ

☆心に残ったシーン


最後のシーン、言葉もなく表情だけで物語れる役所広司さんはすごいと思った

一言も言葉を発さないのだが、彼の表情、目の動き、そして車窓の景色と相まっていろんなことを観る側に思い起こさせる
忘れていた「人・景色・モノ・想い出」などいろんなことが思い出されてえも言われぬ気持ちになって自然と涙が溢れた

あと驚きは映画を作った監督が日本人ではなくドイツ人だったということ‼️
「ベルリン 天使の詩」「パリ,テキサス」などを手掛けたヴィム・ヴェンダース監督の作品だった

現代の日本人でも見落としてしまいそうな細部にまで「日本人の持つ感性・感覚」そして「昔ながらの日本と現代の日本」が交差する映画の雰囲気をドイツ人の監督が描けることに感動を覚えた

内容は淡々と、でもノスタルジーを誘う映画
静かに感情を刺激され涙したが、観終わった後に「自分は自分のままでいいんだ」となんだかスッキリする映画だった(あくまでも個人の感想)

☆おまけ


映画の主人公 平山は自宅で樹木の小さな苗を育てている

清掃先の公衆トイレの近くにある神社で昼食をとっていて見つけた樹木の落ち生えを神社の方にことわって自宅に持ち帰る

そしてそれを大事に鉢(茶碗だったり湯呑みだったり)に植えて、毎朝霧吹きで葉水を与えている

その様子が自分と重なった

なぜなら、私も自宅で落ち生えの紅葉を育てているから

植えて1年目

このモミジの落ち生えは、私がOL最後の半年勤務していた会社が入居するビル庭園のもの

最寄駅から整備されたボードウォークを通り抜けていくと、少し高台にその高層ビルがあり某有名ホテルがあるのだが、そちらの庭園を毎朝通って勤務していた

仕事内容は結構ハードだったが、出退勤の際に庭園とボードウォークの植栽を見て歩くのが好きだった

この落ち生えは竹林にモミジの種子が飛んできて育ったもので近くを見渡してもモミジはなかった きっとそのままにしておくと抜かれて終わりなので、ある夜にこっそり失敬してきたのだ(笑

初めての紅葉

普段口にしている食品も空間を飾ってくれる植物も全て生きていたもの・生きているもの 

もっというと現存するもの全てがもとを正せば「同じ源」である

私たちはその「命」をいただいて自分たちの命を繋いでいる
「人間が偉い」のではない、私たちは「生かされている」

だから見過ごしてしまいそうな小さな命に気がついて、愛でて育てられることを私は「幸せ」だなと思う

植えて2年目の春
植えて3年目の昨年

毎日目をかけてあげて、ちょっとの変化にも気づきながら、愛情を込めて接すれば植物だって応えてくれる

植えて4年目の今春、私のファミリーである「モミジ」は芽吹の準備をしている

ぐんぐん伸びるので毎年剪定しているので背丈は低い

検索していて見つけた映画「PERFECT  DAYS」の制作裏話も面白かったのでリンクを貼っておこう


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