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無理やり考えようとしても、上手くいかない。


考えることは、失う行為だ。


考えるのはそもそも、頭を使う。面倒だし、疲れるし、気が付きたくないことと、ひょっこり目が合うリスクがある。



私は不幸なのかもしれないとか、愛されてなかったかもしれないとか、今いる場所が合っていないかもしれないとか、本当は望んでいない生活をしているとか、そんなことに気がついてしまうリスク。



気がついたら最後、その気付きを無視したまま暮らすのは苦しい。かといって、現状を脱却するには挑戦の痛みが伴う。


人は、損を嫌う


消費だけして、得るものがない時、それは損になる。


つまり、『考える』というコマンドでカロリー消費をして、そこで得るものがなければ、考えることは損なのだ。


だから、疲れていたりメンタルが安定していない時、これ以上損をしないために、思考停止という防御で自分を守る。


何かを深く考えてしまって、これ以上の不遇に気がつくわけにはいかないから。



『思考停止』を下に見て煽るようなコンテンツを見かけるけれど、思考停止は頭を使えない人が陥る状態じゃない。バカになんかできない、してはいけない。走り続けて来た人の、息切れなのだ。



とはいえ、現状は考えて行動することでしか変化させられない。行動には思考がいる。ここにジレンマが生まれる。



私のところへ来てくれる方はみんな、自分なりの不幸みたいなものが漠然とあって、それによって疲れていて。

その不幸は周囲には透明で、むしろ幸せそうに見られたりして。相談もできない、自然に共感もされない。

不幸から抜け出したいけれど、もう考える体力が残っていない。



そろそろ本気で考えないとなぁ……と焦燥感に駆られながら、周りの人のために、今はその思いを一旦脇に追いやって毎日を過ごしている。やさしくて頑張り屋さんの人達だ。



かつて、会社と家事育児に白目剥きながら食らいついていた私もそうだった。

深く考えられずに会社にしがみつこうとした、努力と根性で乗り切ろうとした。あの時の私は、生きるのが下手だったかもしれない。でもバカなんかじゃなかった。息切れと酸欠と疲労。ちゃんと頑張った結果だった。



『考える』を得にするには



『考える』が損になるから、考えることをやめてしまう。

ならば、『考える』を得にすればいい。


そのためには

①視野のメンテナンス
②成功体験を積む

という2ステップがいい。



①視野のメンテナンス


疲れている時、不安な時、思考停止の信号が自分を守るために出ている時、視野は狭くなり、思い込みも強くなる。


そんな時、無理やりなにかを考えようとしても、なかなか上手くいかない。



私は、会社でいくら頑張っても認められず、子育ての時間も満足に取れず、自分に失望して息切れしていたとき、転職を考えた。

息切れしている頭では、視野が狭まった。転職以外にも解決法はあったのに、転職のリサーチに取り憑かれた。思い込みで可能性を狭めて、絶望した。


その時の記事⬇️



私は最終的に転職はやめて、結局自分の出来ることで起業した。

転職に悩んでいる時すでに、コーチの資格は手にしていた。けれど、仕事にするのは先だと思っていた。


それなのに、予想より前倒しで行動できた。大きな原動力になったのは、自分がコーチングを受けたこと。

一人で考えると明日すら不安で、視野も戦略も限定的だった。来年成功することよりも、来週うまく生きられることを優先していた。


コーチングを受けるなかで、視野が開ける感覚を知った。いかに、問題の枝葉に囚われているかわかった。

それに伴って、来週の自分も大切だけど、来年、再来年、10年後の自分のしあわせを今作り始めるべきだと感じるようになり、行動に繋がった。


行動に繋がる思考は、絶対に損にならない。

コーチと対話を重ねるようになった頃から、考えることが楽しくなっていった。くすぶっていたのが嘘のように動けるようになり、願ったものが手に入りやすくなった。


だから、自分の視野を広げたり、レンズの歪みをフラットにしてくれる人と話して、視野のメンテナンスをすることは大切なのだ。


短期的な目線と長期的な目線。
枝葉と根幹。
クローズアップと引き。

これを行ったり来たりできるようになると、考えるのがぐっと楽になるし、より自分に必要な行動のための思考ができるようになる。



②成功体験を積む


「今は考えられない」「それについては考えたくない」と感じてしまう場合。

考えたのに無駄だったとか、考えても結局叶わないなら虚しいだけで意味が無いとか、そういう体験が積み重なっていることがある。


そう思うようになるまでの過程を思うと、心臓が掴まれるような痛みを感じる。どれだけの回数、考えてはがっかりしてきたのだろう?


だからこそ、そうではない体験をしてほしい。


答えのない答えを考えることそのものの面白さ、考えて行動した先の達成感、形になったときの高揚感、伝わる相手と出会えた時のよろこび。


狭まった視野を広げたあとは、深く考えて行動にして、自分の価値に繋げていく『成功体験』を味わってほしいのだ。


些細なことからでもいい。例えば私は、食べたいものを考えることから始めた。

後に、どんな母親でいたいかとか、どんな自分になりたいかとか、そのために今の仕事を辞めるべきかどうかとか、大きなテーマについて考えられるようになっていった。

まずは、考えるのは無駄なことやただのカロリー消費ではなく、自分にとってプラスになることだと、少しずつ感じられたらいい。


考えることは、失う行為だ。


考えるということ。ただ考えるだけでは、消耗するだけの失う行為になってしまう。


だけど、自分のための行動に紐づけられるようになったとき、大きな意味を持つ。


私に初めて連絡をくれた時には「もう一人では無理です」「限界なんです」と言っていたクライアントさんが、「あみさん、自分のこと考えるって楽しいね」と話してくれる瞬間をたくさん見てきた。


私もそう思う。考えるのは楽しい。簡単なことばかりじゃないから、一時的に苦しむことはあるけれど、やっぱり楽しい。

考え抜いた先の言葉や行動が、人生で一番しあわせな今に連れてきてくれたと思うから。



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