参加する理由を作ってあげられれば、人は自然に集まってくる
人は、理由があると参加しやすい。
それも、社会貢献などの、「大義名分」があるとなおさらだ。
毎月第三日曜日に江ノ島水族館が主催している、ビーチクリーンに参加した。
10月の砂浜は思いのほか綺麗で、「おっしゃ拾うぞ〜!!」と意気込んでいたよりは、思ったほどのゴミは集められなかった。
けれど、それでも吸い殻やビニール、素足だったら危ないような何かの破片などを拾い集めることができた。
目を皿のようにして砂浜を眺めていることで、小さいカニさんを見つけたりして。
いつもと目的を変えるだけで、よく行く場所にも新たな発見があることも体感できた。
10時から始まったゴミ拾いは11時に終わり、そこから別に集めていた貝殻なんかを使ったワークショップが30分。
11時30分には解散!となるのだ。
するとどうなるか。
日曜日の午前中、水族館前で解散したファミリーは、水族館に吸い込まれていくのである。
私は家族みんな江ノ島水族館の年間パスポートを持っているので、まあ普通に入館するわけだけど、ゴミ拾いに来た家族がみんな年パスを持っているかというとそういうわけでもなくて。
社会貢献を入り口に、入館者も増える、美しい流れ!!と感じたのだった。
ゴミ拾いという社会貢献
しかも道具は全部貸与される
拾ったゴミの分別はスタッフさんがしてくれる
(つまり本当に拾うだけでOK)
ゴミ拾い後はおまけのワークショップがある
もちろん全て無料
これだけボリュームがあり、社会的意義もあれば、こどもに体験させたい親は多い。
そこに連れていくと、解散後は「じゃあ水族館でも寄っていきましょうか」となるのはかなり自然だ。
これは個人のビジネスでも大いに真似できる。
①さまざまな角度から自分のサービスを語るときに、社会貢献に結びつくような表現ができると、興味を持ち始めた人にとっては強い後押しになる
②できるだけ相手の手間や準備は省いてあげて、ここに来ればOKの状態を作ると、人は参加しやすい
③そんなおまけもあるんだ!と思ってもらえれば、さらに参加のハードルは下がる
④人が集まりさえすれば、その後の流れは作りやすい
というのは、今回のビーチクリーンと同じだと思うのだ。
私たちがサービスを販売したいのも、水族館が入館者を増やしたいのも、主催者の都合なのだ。それを、求められる形や、したい体験を提示することで、双方のメリットがある形に整えていく。
稼ぎたい、という気持ちは持っていて当然だし、私もお金を稼ぐのは好きだし、稼いでほしいとも思っているんだけど、それを相手の欲しがるものに落とし込めなければ、ただのわがままになる。
愛がないビジネスがうまくいかないのはこういうワケだ。
仕事は、稼ぎたい気持ちがなければボランティアでええやんになるし、稼ぎたい気持ちだけでは、いいサービスにならない。
サービスを作り、人を集めて、集まった人が気持ちよく行動・決断できるような情報と配慮とセッティングをする。
美しい流れで、仕事をしたい。
海を綺麗にして、アートして、水族館を楽しんで、いい1日だったね、と言って帰宅する。それと同じなんだと思う。
いい流れのビジネスを、わがままを素敵なサービスに変える試行錯誤を。いつでも忘れずに、お互いいい販売者になりたいものですね。
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