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まちの歴史を学ぶ料理教室で交わり、続いてゆくもの

こんにちは。AMIGO  HOUSE スタッフの志田です。

12月9日と12日の2日間、AMIGO HOUSEのキッチンでは「ミンスパイを焼く会」が開催されました。

11月に行われた、「ミンスミートをつくる会」に続き、AMIGO HOUSEのクリスマス準備、第2弾です。

ミンスミートイベントの様子はこちらの記事をどうぞ。

ミンスパイとは
イギリスのクリスマスには欠かせない伝統菓子。
ドライフルーツやスパイス、牛脂といった材料を混ぜ、熟成させたものをパイに入れ焼きあげたもの。


CINEMA AMIGOでは約10年間、12月の恒例行事として作り続けられています。

きっかけはCINEMA  AMIGO館長 長島源の母キャサリンさん。
出身地、イギリスの伝統菓子を日本でなんとか再現できないか。
試行錯誤のもと完成したオリジナルレシピが、ワークショップによりこれまで引き継がれています。

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キャサリンさんと孝一さんとAMIGO  HOUSE

ここでもう少し、キャサリンさんについてご紹介したいと思います。

キャサリンさんはロンドン生まれ、ウェールズ育ち。
ギリシャで勤務中、長島孝一さんと出会い、結婚することに。今から50年ほど前に逗子に移り住みました。

ご主人の孝一さんは建築家・都市計画者。
住みよく、美しい、原風景を生かしたまちをつくるために活動されている方。
長い間、逗子のまちづくりを考え・実践されてきたご夫婦なのです。

そんなお二人の意思を子である長島源が継承し、CINEMA  AMIGOという文化発信基地ができました。
その10年後、2020年に新たな拠点AMIGO HOUSEも走り出すことになったのです。

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(左から:長島孝一さん/キャサリンさん/源さん)


イギリスの食文化へ

そして会はスタート。
11月のミンスミート作りに参加していた方、今回初めて参加する方も、我が子のように優しい手つきでパイ作りをしていました。

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個性豊かなパイが並んでいます。

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焼き上がりを待つ時間に、AMIGO KITCHEN小嶋あゆみによるスペシャルランチを体験します。
イギリス風クリスマスディナーを再現した、キャサリンさん直伝のメニュー構成とのこと!

・ローストターキー(またはロースト)
・スタフティング(詰め物)には豚肉と鶏のレバー。ソースはクランベリーとグレイビーの2種類。
・ローストポテト
・マッシュポテト
・芽キャベツのソテー(またはグリンピースやインゲン)

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圧巻のローストチキン。
家ではなかなか体験することのできない光景は、ワークショップならではのお楽しみですね。



歴史を味わう料理教室

12日には特別ゲストとして、キャサリンさんご夫婦をご招待しました。
お二人揃って、人前に登場するのはなかなかないとのこと。
貴重な瞬間に遭遇し、みなさん心躍らせている様子でした。

お二人のテーブルでは、特に逗子の歴史についての質問が盛んに飛び交っていました。
まるで、大学のゼミに参加しているような気分です。

ここにいる誰もが何かしらご縁があり、たどり着いた逗子という町。
自分が関わっている地域の新たな一面を知り、愛着が生まれる。

キャサリンさんと孝一さんのおかげで、「逗子の歴史を学ぶ」という味わい深い調味料がミンスパイに追加されたようです。
この日のミンスパイは、よりおいしく感じたのはわたしだけでしょうか。

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交わり、続いてゆくもの


ミンスパイのつくり方という技術、ランチがとても美味しいということ、歴史への興味...
様々な時間を共にした、ミンスパイを焼く会。

会の途中では、参加者のみなさんが自主的にLINEのグループを作り、写真や感想の交換で賑わっていました。

「新たな仲間ができたようで嬉しい。これからも何かあったら、お互いメッセージしましょう」
そんな声も聞こえてきました。

一度きりの交らいでなく、今後も交流が続いていく。
お料理を学ぶだけでなく、様々な時間を共有し、通じあう気持ちがあったからこそ、コミュニティが生まれたのだと感じました。

長年ワークショップを主催しているAMIGO  KITCHEN小嶋あゆみも、
「今回生まれたコミュニティは今までにないくらい濃いものになった」
と語ります。

「これまでの歴史の上に新しい文化が積み重なり、場所の深みが増していく」

孝一さんがおっしゃるように、文化と歴史、人が交わり、続いてゆく場所。
そんな場所にAMIGO  HOUSEを育てていきたい。
改めて感じた2日間なのでした。

(文章:志田彩佳/編集:大倉曉)


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