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ミルクの森で①

1.人生の一日

『人生の一日』というものがあります。

それは日常の連続性の中にありながら、「日常の煩雑さ」からは切り離された、静かで穏やかな、特別な一日のことです。

それは人生を区切るような、イベントや記念日ではないのかもしれません。

日記を読み返さなければ、正確な日付さえも忘れてしまうような一日かもしれません。

それでも、生から死へと向かう一本の線上には、そのような特別な日が幾つか点在し、ささやかなれど、温かい光を放っているのです。

その人生の途上において、不安や孤独に駆り立てられ、うしろを振り向いた時、それらの光は、今まで歩んできた道程の正しさを証明してくれるはずです。

2019年5月28日は、僕たち家族にとって、そんな『人生の一日』だったのです。

(『ミルクの森で②』へ続く)

【附記】
これは小説ではありません。

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