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”反省” することに意味はあるのか?

「反省の色が見られない」
「深く反省し、今後は絶対このようなことがないよう努めます」
「反省しているのだから許してあげよう」
「なぜ失敗したか反省して次に進もう」
などなど、失敗をしたり/過ちを犯した際に必ず行うべきもののように扱われる言葉である。この”反省”という行為の意味と要否を考えたい。

「反省」
①自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えること。
 「常に反省を怠らない」「一日の行動を反省してみる」
②自分のよくなかった点を認めて、改めようと考えること。
 「反省の色が見られない」「誤ちを素直に反省する」

まずは①の例。皿を落として割ってしまったとしよう。
言動(皿を落とした)をかえりみて、その可否を改めて考えると「否」だ。
故意である場合は②に任せ、過失であった場合を考えてみる。話に夢中でジェスチャーをしていたところ、手が皿に当たってしまったとしよう。この場合の原因を紐解くと、「皿を落とした」←「皿に手が当たった」←「ジェスチャーで手を動かした」←「会話に夢中になった」←「食事中に楽しい会話をしていた」となる。この原因のどこに問題があるのだろうか?特に問題はないと考える。「食事中に会話すべきではない!」ということならば、会話を始めた段階で「食事は黙って!」と注意すべきである。夢中になると手でジェスチャーを取る癖を治すべき?言い過ぎであろう。
何となく「今後気をつけます」と言ったところで何も変えていないのだから意味がない。

次に②の例。取引先に1桁多く請求してしまったとしよう。
よくなかった点(誤請求をしたこと)は大抵言わなくともわかっている。改めようと考える?何を考えるべきなのか?
・請求書は請求する側が正しい請求額を記載するものである
・取引先に誤請求をすると相手に迷惑がかかる
・記憶を頼りに請求額を書いてはいけない
これらを知らない人はほとんどいないであろう。では何を考えるべきなのか?原因を見ると、「1桁多く記載したが気づかなかった」←「契約書からの転記でミスした」←「契約書を見ながら転記するようにしている」といったところであろう。転記ミスを防ぐには自分で複数回見るか他人によるチェックを行うかのいずれかである。こちらはやり方を見直す行為であり、自分で考えて気を付ける行為ではない。
「以降ミスのないように気をつけます」と言ったところで、請求書確認により多く時間を使うことなど、やり方を変えない限りは気をつけようがない。「気をつけます」と言うのは何も意味をなさない。

人間は何かを行う時に、色んなことに気をつけて行動している。相手を不快にさせないように、時間に間に合うように、事故に合わないように、失敗した時に対応できるように、等々。人が同時に意識できる量は有限なので、何かをより気をつけるということは、何かをより気をつけなくすることである。ので、「反省してます。気をつけます。」という言葉を聞くと、「何も変わらないのだな」、と思って聞いてしまいます。

ただのポーズとしての「反省」はやめよう。
もし行動の際に知ろうと出来ていなかった情報や、より良い行動方法が見つけられるのであれば次からやり方を変えよう。
もし行動の際に自分なりにベストを尽くしていたのであれば、反省する必要はない。
やるべきことは「しょんぼりして何故起きたのか?を悶々と考えること」ではない。「これからの行動を変えた方が良いか否か?を見極める」ことだけだ。

成功も失敗も過去を振り返ること自体には意味はない。学びがないのであればそれ以上悩まず、次をうまくやることを考えよう。

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