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”飲みニケーション”は存続するか?

20年ほど前には”大事”とされてきたが、現在は自粛を強いられている「飲みニケーション」。この活動の本質と今後の存続是非を考察したい。

20年ほど前くらいまでは、オフィスを離れてホンネを引き出すための「飲みニケーション」はビジネス上は”非常に大切な活動”と多くの人が認識していたと思う。「一杯やっていくか」と部下を誘う上司、「今度一席設けさせてください」と取引先を誘う営業、その場で普段聞けないホンネを聞き出すということも含めて仕事力として考えられていた。「飲みの場では”無礼講”で」といった表現も、「ホンネは飲みの場で」ということを示唆するものである。

10年ほど前くらいからか、「飲みニケーション」に対する賛否が分かれて来たように思う。パワハラ等の温床としての認識、ママ社員の増加、業後は社外の人と過ごす若者など、ビジネスマンとして必須のものから相手とタイミングを選んで実施されるものになってきたように思う。そしてこの1年強、コロナにより機会さえ奪われている状況で、「飲みニケーション」はオンライン開催もしくはこの状況下で強行する人だけのものとなっている。

コロナが落ち着きを見せた後の世界で、「飲みニケーション」は存続しうるのかどうか?その考察のために「飲みニケーション」の本質を考えたい。
元々の「飲みニケーション」の目的は、”相手の思想や興味対象を知ることで、仕事の効率を上げる” ということである。この目的が存在する限りは有益な手段として活用されるであろう。

では、”相手の思想や興味対象を知る” ことが、”仕事の効率を上げる” のか?
「飲みニケーション」がないと仕事の効率を上げられない上司
「飲みニケーション」がないと仕事上の意思決定が出来ない取引先
終身雇用でお得意様と仲良くやっていれば儲かっていた時代では必要な取組だったかもしれないが、そうでない今はこれらの人は相手にされなくなっていくだろうと考える。よって「飲みニケーション」がないと…と言うこと自体がダメ社員を標榜するような形になるであろう。

娯楽としての飲み会は楽しいのでやめる必要はないと思うが、仕事としての「飲みニケーション」は通用しなくなる。”コロナが明けたらまた昔のように”、”最近の若者はわかってない”、”仕事中はホンネを言い辛い”、等々の憂いをしているより、「仕事中に夢を語る上司」「思ったことを正しく主張できる若者」「オンの時にストレートに意志伝達できる取引先」になっていこう。

このコロナ下の状況がビジネスマンの古き慣習を変える機会になることを願っている。

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