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白藤あめ
2019年5月30日 23:25
大学4年、11月。わたしは閉鎖病棟にいた。真っ白の部屋の、真っ白のベッドの上。10月2日朝7時、ほとんど毎日働いていた塾の仕事をクビになった。その後、お昼を迎える前に、わたしは睡眠薬とお酒を飲んで倒れた。救急車を呼ばれたわたしは、そのまま病院へ搬送された。記憶は断片しかない。さいわいにして飲んだ量が少なかったので、点滴を一晩して、退院した。2日目の朝に、お医者さんに「初めまして
2023年5月12日 23:25
入院してから、もしくは最初の手術をしてから、もしくは飛び降りてから、わたしは悪夢ばかり見ていた。悪夢、と名前をつけていたそれは「せん妄」だったらしいことを後から知る。せん妄とは、認知症のような症状が一時的に出る意識障害。わたしは確かに、病室にいろいろな人が来て、いろいろ言われたような気がした。でもわたしは誰にも何も言わなかった。ただ、変だな、嫌だなと思っていた。何も言えないのだ。言える性格だったら