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花を愛でられる自分、までにはならなくていいけど

花が捨てられたことに、いまさら気づいた。 もともと花に興味がない。そもそも好きじゃない。だから我が家には花瓶がない。渋々と持ち帰られた花束は、適当に食器棚から引っ張り出してきた使ってない大きめのプラ製コップに。 水への正しいつけ方が分からないから、そのままドボンと。 花の表情は読み取れないけれど、鮮やかなオレンジとブルーの花が綺麗だった。 少しだけ、家に彩りが添えられた。 けど別に、愛着は湧かなかった。 太陽の光が当たると嬉しいのかなと思って、窓の近くに置いておいた。水は

    • 友達になりきれなかった、あなたへ

      これから大切にしていけたらいいな、っていう関係性を見つけた。 一滴の濁りもなく、純粋な関係性を築けていけたらと思った。 楽しかった。直接話すことも、LINEで話すことも、電話で話すことも。 綺麗なせせらぎが自分の心を満たしていくようで。本当に楽しかったんだ。 でも、いつからだろう。 透明度の高い水の中に、一滴の、本当に一滴の黒い雫が落ちた気がした。 急に不安になった。怖くなった。心がざわざわした。木々がさざめくように、手放したくない気持ちに襲われた。 最初は壊さないよう

      • 神だか仏だか、とりあえず提訴させてくれ

        おばあちゃんの写真に手を合わせられない。 ご飯を作った時や、何かおいしくて甘いお菓子を買った時。決まって、おばあちゃんの写真の前にお供えする。我が家には仏壇がないから、電子レンジの上におばあちゃんの写真を置いている。簡易的な、申し訳ないくらい簡易的な物だけど、その前はなるべくお供物でいっぱいになるようにしてる。 普通は、何かお供物をあげる時、仏壇だったら鐘を鳴らして手を合わせる。我が家の電子レンジの上だって、簡易的ではあるけどそういう役割のものだ。普通だったら、手を合わせ

        • あの時は、あれだけ話すことがあったのに

          せっかく何か書こうと思いついたのに。そもそもメモを取る習慣がないから、書こうと意気込んだ時にはすでに忘れていることが多い。 中学生や高校生の時とは違って、誰かと他愛ない話で盛り上がることも、もうなくなってしまった。だからこそ、他愛ない文章を書いて、誰かに頷いて欲しかった。なのに、泡のようにぷかっと浮かんでは一瞬で弾けるから、文章がちっとも貯まっていかない。 だけどふと思う。当時は、なんであんなに盛り上がることがあったんだろう。 授業と授業の間の休み時間。ほんのわずかな時間し

        花を愛でられる自分、までにはならなくていいけど

          自分の体の中、見えないところで

          5回目のコロナワクチンを打った。 4回目から1年以上経っているので、かなりお久しぶりである。 回によって注射の痛みは0〜10まで様々なのだが、今回は8ぐらいだった。要するに結構痛かった。インフルエンザの予防接種とはまた違う痛みである。 家に帰ってきて数時間すると、体が少しずつ重だるくなってきた。頭も痛い。ただ、頭痛に関しては、毎日飲んでいる薬の副作用もあるので、ワクチンなのかその薬なのか判別がつかない。ワクチンにしてみりゃ、「いやまだ俺本気出してないっすよ」という感じかも。

          自分の体の中、見えないところで

          夏の雨をずっと好きでいたい、今のところは

          Yahooが提供しているお天気アプリはそこそこ優秀で、特に雨雲レーダーは日々の生活になくてはならないものだ。我が家には干し魔と呼ばれる人がいるので、その人の気分は雨雲レーダーにいつも左右されている。お天気アプリを開いて、下部中央に雲の絵。そこに「雨雲あり」と書かれていれば、すぐさまベランダに面している窓へ(ここが1番大きい窓だから)。だが、雨雲レーダーだけを信用してはいけない。今までに蓄積された経験という名のデータと照らし合わせて、複合的に判断するのだ。 なぜならこの雨雲レー

          夏の雨をずっと好きでいたい、今のところは

          死んだらゴッホの絵を観に行きたい

          死んだらゴッホの絵を観に行きたい。死んだらどうなるのかは、死んだことがないので分からない。ただ、何日間かは現世をふわふわと漂っていられるんじゃないかと思っている。その、漂っていられる間に、ひとっ走り観に行きたい。 念じたら瞬間移動みたいに行けるんだろうか。それとも、やっぱり飛行機とかに乗らなきゃ行けないんだろうか。もう科学とかに縛られない存在になったので、できれば念じるだけでその場所に行ければいいなと思う。 ゴッホ美術館に行きたい、と思ったらふわっと美術館の目の前に立っている

          死んだらゴッホの絵を観に行きたい