「絶望した時にきく音楽。」
「皆さん、絶望した時にきく音楽はありますか。」
好きな音楽についてプレゼンテーションをする授業でのクラスメイトの言葉です。
彼女が紹介した曲はReonaさんという女性シンガーのUnknownという曲でした。
絶望を、そしてそれに寄り添うものを歌う方なんです。
そう紹介した後に流してくれた曲がとても印象的なものだったので、私もここで紹介させてください。
家族、友人、先生。誰の前にも”本当の自分”はいない、と絶望を歌ったAメロの後に
Aメロと同じように絶望を歌った詩。
けれど心の深いところに差し込まれた気がしました。
何物にかなれるように名前がついているけれど、それも自分でつけたものじゃない。
今の私には上手く表現できない。それでも無理やり言葉を当てるとしたら、何物かにならなければいけない理不尽さに対する言葉にならない心痛を言葉として言い当てられたような。
自分を探して、目を瞑って心と向き合ってもわかるのは自分の好みや性格の傾向だけで”本当の自分”に出会えたことはありませんでした。
けれど、名前という一番身近な”自分らしいもの”でさえ、
”自分”じゃないとしたら。
それなら。
そうであるならば。
本当の自分など見つからなくても仕方ないじゃないか。
ロジックはよくわかりません。しかし、自然とそう思えました。
また、この曲のサビは
という歌詞になっています。
正直ここは綺麗な歌詞だな、と思った程度であまり響きませんでした。
しかし、2サビ後、Cメロで盛り上がって、間奏の切なげなエレキギターのソロ。
そして
空の青さ、赤い夕焼けの美しさ。私が、感じた。
本当の自分というものをずっと探していました。
見つからなくて苦しかった。
だけど。
この音楽に、この音楽のやさしさに、
泣きそうになっている私は”本当の自分”なんだなって。
そう、思えた。
「絶望した時にきく音楽。」
この曲を紹介してくれた彼女の絶望によりそう音楽であり、
私の絶望にもまた寄り添ってくれた曲。
ピアノとアコースティックギターの切なくもあたたかい前奏を聞いたのならあなたの絶望にもまた寄り添う曲になるかもしれません。
2023.10.28
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