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正直な話

あなたと一緒にいるようになって、正直、見えていた世界が見えなくなったの。

それはあなたが悪いとかではなくって。

自分でも不思議なんだ。

あのうっすら白い、昼でも夕方でもない白昼夢のような世界はなんだったんだろうって。

視界に映る端々に、私の心は異常に掴まれていた。
そして言葉や思考のようなものが抜け落ちて空っぽだった。そうやって一人心を宙に浮かばせて、やっぱりたまに寂しかった。隣に誰かいたらともちろん思った。でもそれすらも淡い空に滲んで、風が撫でた。

あの時ひたすらに歩った道から、とても遠く外れてしまった。でもそれで良いんだ。きっとあのまま歩き続けてはいられなかった。

まだ日が登りはじめる早朝に家を出て行く私を、あなたは心配してくれる。
でも本当は全然苦ではない。

あの見えていた世界が、早朝に微かに香っている。それを掴みたくて、眠っているあなたを残し、一人で一日を始めていく。

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