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観る”禅”『かもめ食堂』

ごきげんよう。雨宮はなです。
今回は映画紹介です。
どんな映画か、感想をベースに紹介します!

監督:荻上尚子
出演:小林聡美/片桐はいり/もたいまさこ
『かもめ食堂』

鑑賞のきっかけ

今から7年ほど前に「ガルスピちゃんねる」というまとめサイトを追うのが趣味だったのですが、そこで”掃除のモチベーションが上がる”作品として支持を得ていたのがこの『かもめ食堂』でした。
さっそくレンタルショップで借りてきた当時の私は、そのままどハマりしちゃったのでした。

観たら、掃除をしたくなった

「毎日まじめにやってれば、そのうちお客さんも来るようになりますよ」
お客さんが全然こない食堂を心配したミドリに対して、店主である主人公のサチエはそう答えます。
その言葉どおり、この作品ではサチエ(のちにミドリとマサコ)が毎日まじめに、コツコツと丁寧に生きている様子が描かれています。
ハプニングやイベントもありますが、この映画でいちばん印象深いのは「清潔な空間」と「出来立ての食事」です。

主な舞台の食堂も、サチエのアパートもすっきりと整理整頓されていてさらには清潔そのもの。
それを眺めているうちに「自分の部屋には物が多すぎるなぁ」と思い始め、一時再生を止めて断捨離が始まります。
今度は「本のホコリを払わなきゃ」「自分の目の前にあるテーブルは拭かなくていいのかしら…」という具合に掃除が捗り…。
さすが、”掃除のモチベーションが上がる”作品として紹介されるだけあります。

予想以上に捗り、満足して戻ってきて改めて再生。
体を動かした心地よい倦怠感と、気持ちよい空腹感に襲われながらの鑑賞です。

料理もしたくなった

サチエさんがかもめ食堂で提供する食事は、代表的な日本の家庭料理です。
おにぎり(3種)、焼き鮭定食、豚の生姜焼き定食など。
カフェメニューとして、コーヒーやシナモンロールもあります。

手際よく丁寧につくられて湯気をたてながら運ばれていく食事や、それをおいしそうに口に運ぶ人々を眺めていると、自然とお腹が空いてきます。
不思議なことに、「何か買ってこよう」「同じメニューを食べに行こう」ではなく、自分で料理をしたくなるのです。
お皿洗いまで楽しくできるほどモチベーションが上がるので、鑑賞後にお料理するのはかなりお勧めです。

シナモンロールを焼いてみた

シナモンロールの香りに誘われて老女3人がお店に入ってくるシーンがあります。
それまではお店の外から渋い顔で「すぐに閉めちゃうわよ」なんて言っていたのに、ウキウキ、イソイソとお店に入ってきて、「シナモンロールとコーヒーをちょうだい」と注文をする姿は非常にかわいらしい。
それにしても、シナモンロールとコーヒーか。
私も、その組み合わせでまったりタイムを過ごしたい!

そんなわけで明くる休日。
私はレシピを調べてスーパーに買い出しに行き、人生で初めてのパン作りを始めたのでした。
シナモンロールが焼きあがるにおいに包まれながらコーヒーをいれ、焼き立てをかじりながら再度『かもめ食堂』を観る。
最高の休日を過ごせました。

この作品は、観る”禅”だ

掃除があり、料理があり、様々な人物たちが自分と向き合う機会があり。
とても明るくのんびりとした禅の様子を眺めているなぁと感じました。
「呼吸」についてのシーンもあるし、あながち間違ってないのかも?

励ますでも支えるでもない、不思議な立ち位置のこの作品。
眺めていると、勝手に禅のスタートをきれちゃうかもしれません。

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