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Adweek誌が選ぶ、広告、映画、インタラクティブコンテンツ業界をリードする10人のディレクターたち

こんにちは。アメマ速報の淺井です。

今回はAdweek誌によって選ばれた、今アメリカの広告業界で最も注目を浴びているディレクターたちをお届けします。

あのマーベル映画を監督したディレクターからディーゼル、フォルクスワーゲンのコマーシャル、ウィル・スミスのインスタグラム用ビデオを作ったディレクターまで才能溢れる個性派が集まりました!この機会に、彼らの飛び抜けた創造力にインスピレーションを受けてみてはいかがでしょうか?

Melina Matsoukas
レップ: De la Revolución Films と Prettybird
拠点: Los Angeles

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最近の作品
Matsoukasの初の長編映画となった『Queen & Slim』は若い黒人カップルが正当防衛のために警察官を殺害してしまい、その後逃亡するというストーリーを描いています。「人種差別についてのオリジナルストーリーを語るということやこの映画を取り巻く様々な物語にも責任があるということ、プロセスのありとあらゆる面が挑戦だった。困難な道のりだったがこの作品には真の目的があるし、警察の残虐行為で命を落とした人々を称えることができたことを光栄に思う。」と彼女は語っています。

映画製作者を目指す者へのアドバイス
「自分自身を教育すること。自分の技術を磨くこと。」「私にとって教育とは、映画の歴史や制作を学校で勉強することと、撮影現場での経験を積むことの両方。しかし、教育には様々な形があり、とにかく技術を学び、素晴らしい芸術を創造するために情熱を傾けることが大事だと思う。」


Tim Godsall
レップ: Anonymous Content
拠点: Toronto and Los Angeles

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最近の作品
ミネソタの町ウィノナで、ウィノナ・ライダーを起用した(町の名は彼女のファーストネームの由来でもある)Squarespaceのスーパーボウル広告。「このプロジェクトは混乱をきたしていて、その上北極圏並に寒いと言う要素が合わさり、チャレンジでありながらもやりがいにもつながっていた」とGodsallは振り返っています。「David Lee (SquarespaceのCCOで2020年のクリエイティブ100の受賞者でもある)と彼のチームは、エージェンシーとクライアントの両方を兼任していたから撮影は順調に進めることができたんだ。それって、台本に対して納得していない有名人と撮影しようとしているときや、撮影許可が降りるか降りないかわからないロケーションで撮影しようとしている時、ブリザードの1つや2つやって来そうな天候の時には大切なことなんだ。実際にブリザードはやってきたけどね。彼らと一緒に冒険するのはいつも楽しいし、いつでもまた挑戦したい。」

映画製作者を目指す者へのアドバイス
「自分の好きなものをつくること。誰かが後押ししてくれるのを待ったり、誰かからの許可を待つ必要はない。」

Ali Ali
レップ: Good People, Little Minx and Caviar Paris
拠点: Athens, Greece

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最近の作品
DIESELの「Be a Follower」。人気インフルエンサーを食事に招き、最初から最後まで一切食べ物の写真を撮らずに食事をしてもらうという今時のインフルエンサーにとっては難しい挑戦(食べ物の写真を取らない)をコンテンツとして取り上げ冗談交じりに描いたコマーシャル。「『Be a Follower 』のスタイリングはかなりの挑戦だった。想像できると思うけど、DIESELは衣装のスタイリングに関して、非常に(ちょっとやりすぎかなというくらい)深く関わっていたんだ。彼らは人気の商品を中心に衣装スタイリングを、一方私はより良い映像が撮れるようにセットや照明と合わせた衣装スタイリングをしようとしていたからお互いにまとめるのが大変だった。大作なのに、たった2日というわずかな時間しかなくて、クレイジーだった。」「でもそれがなんとかまとまってその年最も楽しいプロジェクトとなったんだ。」とAliは語ります。

モットー
「プロセスではなく、出来上がった作品を尊重すること」


Fx Goby
レップ: Nexus Studios
拠点: London

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最近の作品
VWの「ラスト・マイル」は、近年生産を終了し、長年愛され続けてきた当自動車メーカーの「ビートル」にオマージュを捧げたもの。90秒のアニメーション映画は、この車の文化的意義を捉えています。「何かを売り込むのではなく、時代を代表するデザインの一つに敬意を表しているだけの映像を作るのは、広告業界では珍しいこと。」とGoby。「この車は何世代にもわたって親しんできた人たちにとって思い出の箱のようなものなんだ。」

その他の作品
1902年のGeorges Méliès監督作品「月世界探検」へのARトリビュート,「Back to the Moon」があります。「非常にユニークなマルチプラットフォームの映画を作ったことは私の誇りだ。」とGobyは言っています。


Michelle Craig
レップ: UNIT9
拠点: Los Angeles

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最近の作品
Craigはクリエイティブパートナーとして、Charmin社のGoLab CESのアクティベーションを監督し、新しいトイレットペーパーを配達するロボット、異臭を感知するセンサー、コンサートやイベントを一瞬たりとも見逃さないようにVRヘッドセットを装着したポータブルトイレなど、未来的なバスルームのイノベーションを紹介。Craigは、「制作を始める前からこのプロジェクトではクリエイティブ、製品デザイン、エンジニアリング、映像制作の完璧な組み合わせを実現することができると分かっていた。」と語ります。彼女はまた、Raised & Rootedのプロジェクトを率いて、ヴィーガンナゲットの果樹園を制作。「まだ存在していない商品やコンセプトを作るときは、イノベーション、楽しさ、コミュニケーションのつながりを大切にすることが重要。」と話しています。

コロナが仕事に与えた影響
「色々な意味で、原点に立ち返ることができた。」とCraig。「デジタル業界で設立された会社として、適応は非常に簡単だった。エージェンシーのパートナーと協力して新しいコミュニケーションの方法を発見するのはとても魅力的だった。」

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David Estis
レップ: Framestore
拠点: Brooklyn, N.Y.

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最近の作品
ゲーム・オブ・スローンズ最終シーズンの数々のエピソード。「撮影にはリアルタイムの実用的なエフェクトやアニマトロニクスとARとVRを併用した。」とEstis。「そうすることで、あたかもGOTの世界に入ってしまったかのような没入体験を実現させることができた。」

コロナが仕事に与えた影響
「ロックダウンが始まって以来、実写の撮影が中断され、ロケ撮影で映像を撮る機会がなくなったことで、オーディエンスを全く異なる方法でエンゲージメントするモバイルやウェアラブルデバイスに力を入れるようになった。」「今後の課題は、人々が今住んでいるこの環境に新たな物語を吹き込むことだ。」と話しています。

モットー
「最も魅力的な物語とは、結論を出すために観客が自分の経験を呼び起こすことができる複雑な質問の集合体である」


Bryan Buckley
レップ: Hungry Man
拠点: Los Angeles

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最近の作品
Buckleyは宇宙旅行をテーマに巧みなひねりを加えたSodaStreamのスポットを監督。しかし、最も話題を呼んだのは、ボストン出身者であるJohn Krasinski、Rachel Dratch、Chris Evansを主演に迎えたHyundaiの「Smaht Pahk」という広告。他にも彼の映画『Saria』はアカデミー賞にノミネートされ、国連での上映が決まりました。本作は、人身売買の被害者である孤児のラティーナの少女たちが受けた、性的残虐行為に光を当てている。

Buckleyの多才さについて
「彼はユーモアを理解している。誰でもができることではない。」と2000年にE-Tradeのスーパーボウル広告「Monkey」でBuckleyと一緒に仕事をしたGoodby Silverstein & Partnersの共同設立者であるRich Silversteinは話しています。「彼は何でもできる」「これはさすがに彼の可能領域を超えているだろうと思っても、そんなことはないんだ。」とSilversteinのパートナーであるJeff Goodbyも語っています。

MVP
Buckleyは、60以上の大手のコマーシャル を手がけたスーパーボウルの広告ディレクターの中でも、最も多作な広告ディレクターの一人。2019年のMarch for Our Lives(銃への抗議活動)の「Generation Lockdown」とマイクロソフトのアダプティブコントローラーの「We All Win」広告の仕掛け人でもあります。

Mark Molloy
レップ: Smuggler
拠点: Los Angeles

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最近の作品
「The Underdogs」は、Appleのいつものクールな広告とは一線を画した魅力的なものです。ストーリーは、ひょっとしたことから商品開発の上司にピザの箱のプロトタイプをプレゼンすることになってしまった社員達の葛藤の物語。もちろん全員アップル製品を使用していて、アップル製品が会社でどのように使われているかを表現したブランデッドコンテンツ。個性的なキャストが特徴です。「グループをキャスティングするのは難しいことだが、それが私の好きなことなんだ。」とMolloy。「メキシコでの撮影は大変だった。1日であれほど多くのセットアップを撮影したことはなかった。しかも、撮影の3日前にプロダクションデザイナーを失ってまるで悪夢のようだった。しかし、他のクルーが頑張って奇跡的にまとめ上げてくれた。これは最初のキャスティングのプロセスがいかに重要であるかの証明だった。この映画の魅力は、素晴らしい俳優たちが一緒に仕事をすることで得られるダイナミックさにある。」と振り返っています。

映画製作者を目指す者へのアドバイス
「自分の声を見つけてがむしゃらに働け。」


Cache Bunny
拠点: Los Angeles

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最近の作品
ウィル・スミスのソーシャルメディア用のビデオ撮影や、プーマの撮影用レーシングドローン、パルクール選手、25人のエキストラを使ったソーシャルプロジェクトなど多数。「プーマのプロジェクトでの挑戦は、レーシングドローンのスピードを見せることができ、かつパルクールのクリエイティブな動きを見せることのできるランニングコースを作成することだった。」とBunnyは説明しています。「また、ドローンのバッテリー寿命の短さ、アスリートのエネルギーレベル、屋外での撮影だったので変化する照明を考慮に入れなければならなかった。そしてさらにそれら全てがInstagram用に60秒以内におさまるようにしなければならなかった。」と言います。

コロナが仕事に与えた影響
「行動制限は常にアイデアを刺激するもの。このような大きな制限があることで、実際にはかなりクリエイティブになれている。ロックダウンの前は、創造的に疲れ果てていた。アイデアがでてこなくて、その理由がわからなかった。今では、スランプの原因は、充分に遊ぶ時間を取らなかったことにあると分かった。」とBunnyは話しています。仕事だけでなく遊ぶことって、やっぱり重要ですよね!

Taika Waititi
レップ: Hungry Man
拠点: Los Angeles

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最近の作品
昨年だけでも、Waititiは「Jojo Rabbit」(同作は監督・主演も務めた)の脚本でアカデミー賞を受賞し、FXのコメディ「What We Do In the Shadows」(2014年のヴァンパイア・モキュメンタリー映画が原作)を共同制作し、2017年に監督を務めて大成功を収めた「Thor: Ragnarok」の続編となる「Thor」の4作目の制作に取り掛かっています。

スターフォーズ
ニュージーランドの映画監督であるWaititiは、Disney+の「マンダロリアン」のシーズン1フィナーレを監督だけでなく声優として同番組のドロイドの賞金稼ぎ、IG-11の声も担当しています。そして、間もなくスター・ウォーズの新作映画の監督と共同脚本を担当することになるでしょう。

Never say never
「どんなアイデアも最終的なものではないという考えを受け入れていれば、それまで考えもしなかったようなことを撮影当日に思いつくことがよくある。」とWaititiは昨年The Talksに語りました。「ラッキーにもそのアイディアが、映画をより一層盛り上げてくれることになるってこともあるんだ。」

昼寝
製作パートナーのCarthew NealはWaititiのために撮影中20分間の昼寝をスケジュールに組み込んでいます。面白い!「そうすると、彼にとっては午後から新しい一日が始まったようなものなんだ。」とNealはVariety誌に語っています。「彼のエネルギーは無限だよ。」


さて、いかがでしたでしょうか?10人ディレクターがいれば10人それぞれの個性がありますがどのディレクターもクライアントのビジョンを、そして自分のビジョンを実現化するために大変な局面を乗り越えてきているのが伝わってきます。そしてみんな自分の仕事に誇りを持っています。クリエイティブの仕事とは華やかなだけではなくその影にある絶え間ない努力によって支えられているのですね。我々も彼らのその姿勢を見習って行きたいものです。あなたのお気に入りのディレクターは誰ですか?

参考・画像出典 1

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