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心の余裕

産後2年目にして、ようやく心に余裕が持てるようになってきた。

ほんのつい最近までは、息子を寝かしつけた後、起きてきて何かをするなんて、到底考えられなかった。それだけ、毎日自分にかかる負担が大きくて、夜9時には充電切れの状態だった。

それが今年の5月になって、どういう風の吹き回しか、資格取得に向けて突然勉強をはじめた。もちろん、息子が眠りについた後に、だ。夜10時ごろに寝かしつけが完了し、それから1時間程度なのだけど。そして、寝落ちしてしまう日が3日に1度。

睡眠のゴールデンタイム信者のわたしは、夜10時までに寝れば、翌日はまた、きっとフルパワーでがんばれると思っていた。

一方で、毎日をただ、仕事と育児と家事だけで終わらせて、これっぽっちも自分自身を成長させていないことに、少し引け目を感じていたのも正直な気持ち。

その間にも、同僚は昇進したり、スクールに通ったりしていて、どんどん差がつけられていくことに、焦りを感じていた。わたしも、何かしたい、変わりたいという思いが、心のどこかにあったんだと思う。

資格を取得するのに、ちょっとばかり投資が必要だった。時短勤務で収入が大幅に減少し、金銭的な余裕はあまりない。息子の教育費や老後資金を考えて、残ったお金は貯金に回したいところだけど、夫に相談すると、前向きな回答がかえってきた(投資はわたしの懐から出ていったんだけどね)。

「やってみたら? その道のスペシャリストになる覚悟があるのなら、いいと思う。◯◯(わたしの名前)はキャリア思考でもっと仕事をしたいはず。できることがあれば、なんでも協力するから言ってね。一番の味方だよ」と、当時、夫がくれた言葉が励みになった。

資格を取ろうと決心したのは、昨年度の人事考課が終わり、評価を受けた日だった。「期待を上回る」という意味のA評価だったものの、自分が期待していた内容ではなかった。何かが足りないんだと自覚した。

自分の性格上、きっと、何かを極めていった方がいい。広く浅くよりも、狭く深くのほうが合っている。テキストが届き、勉強をし始めると、これまでの業務を深くまで理解できるようになり、勉強すればするほど、面白く感じた。

今のところ、就寝時間が多少短くなっても、あまり支障はない。もちろん疲れはあるけれど。それよりも、少しずつ知識が増えていたり、何か新しいことをしている感覚が、自分の体と心をワクワクさせ、元気にしていることを実感する。

自分のために何かをすることって大事。

ちなみに、資格取得だけでなく、自動車の教習所にも通い始めた。ずっと車の免許がほしいと思っていたわたしに、夫が「俺の分の給付金も使っていいから、車の免許取ったら」と勧めてくれたことがきっかけ。

この数か月で、わたしの考え方と行動を劇的に変えてくれた夫に感謝。つい今年の3月くらいまで産後クライシスに悩み、明らかな体の不調を感じていたことが嘘みたいだ。

口を開けば、お互いの不満ばかりしか出てこなかった2年間が、この数か月で、感謝の気持ちに変わりつつある。自分を大事にする。家族を大事にする。こんなシンプルなことができなかった2年間。

できるなら今からやり直したいけれど、この試練があったからこそ、きっと今がある。家族として、夫婦として、親として、少し成長できたのは、きっと心の余裕が少しできたからだ。


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