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花畑



あなたも
きみも
あのこも
幸せになってほしい

摘み取るの
なにも持たない両手で
手を伸ばす

だけど
千切ってしまっては
私の喜びだけに
なってしまうのね

涙が出る程
彼らを思っているの
自分でも疑っているけれど

水を運びましょう
私が影をつくらぬよう
そっと横に座りましょう

花弁を落とさぬよう
そっと手を添えましょう

眩しい花畑なんて
夢だと思うけれど

この詩の続きは
喉に詰まって出てこないくらい

夢なんて吐き出したいけれど

悲しいくらい
憎らしいくらい
きっと、あるのだ。

巡り来ては
何度でも
春のドアを開けるのだ