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聖夜

夜の空から言葉が降ってくる
失くしたと思っていたもの
その始まりを合図することなく
気づけば一面 音もなく

夜に滲んだ視界を絞れば
それは破いた紙の一片一片
実在しない記憶に映る
あの日の私が破いた紙

あなたは捨てずにいてくれたのか
私を捨てずにいてくれるのか
耳から気圧が抜けていく
言葉に濡れて
夜が柔らかくなっていく