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多数の人と違っていても、
歪な形でも、
瞳の中は海が広がっていても、
彼女は花を咲かせる。
精一杯

私もそうで在りたい。

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満開の梅林を前に「綺麗だね」って言う。
嘘じゃない、心から思っている。
一頻り目を染めたあと、
振り返るとぽつりとあった。

多くのそれとは少し違う彼女に
誰かに剪定されたの?
生まれ持ったあなたそのものなの?
とは訊かないけれど、

「寂しそう」とか「かわいそう」とか
「それでも懸命に生きている」とか
簡単に思わない。

主観は無意識に見下す様な
哀れむ様な
勝手に勇気をもらう的な
そんな時があるから。

彼女には知ったこっちゃないのかも
知れないし、

彼女がどんな目で梅林を見ているのかも
知らない。

ただとにかく彼女に目を惹かれ
私の心を重ねた。

そこに「諦める」なんて言葉は
無かった気がしたから、
詩を書きました。

いつか彼女が満開になる日を
想像するのは迷惑かな。
でも私を重ねては
思わないわけにはいかなかった。

ただ、今、花をつけるその姿は
美しかった。


所詮私も多数派の頭だから、
本当はこんな思考も要らない。
「この梅、綺麗だね」って
目と心を奪われるだけの人に
なりたい。

そうなったらきっと、
私ももっと自由に生きられるのだろう。