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「ダイニングバー リアン」の大人のシメパフェ

5月末、ライターとして働き始めた私は、週1~2回ほどお店の取材をして寄稿記事を書いている。

とはいっても、経験の浅い駆け出しライターなので、毎日学ぶことは膨大だ。自分に足りないものを見つけるため、独自に取材記事を書いてみることにした。

友人のオススメのお店へ

「ハシゴ酒しよう。良いお店があるんだ」と、先日、野毛の飲食店に詳しい友人から誘われた。しかし私はお酒が弱い。そのことを告げると、「飲めなくても大丈夫だから」と腕を引っ張られるようにして連れて行かれた。

横浜・桜木町駅で降りて、みなとみらいとは反対側に野毛の街は広がっている。ところ狭しと並んだ活気溢れる飲食店街は、さながら『千と千尋の神隠し』の冒頭シーンのような風情があり、休日ともなると地元の人たちが昼間から楽しそうに飲んでいる。人の元気なエネルギーを感じて、私まで気持ちが高揚した。

入ったのは、2019年11月にオープンした「ダイニングバー リアン」というお店。

カウンターに座って、ホットティーを頼む私。「こんなお洒落なレストランバーに来て紅茶を頼むなんて」と不安になったが、まったくの杞憂だった。店長の亜美さんは何の問題もなさそうに笑顔で注文を聞いてくれ、なんだかホッとした。途端に居心地が良くなった。店内にはゆったりと食事ができるスペースもあり、お酒が飲めなくても楽しめそうだと思った。

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開業、そしてコロナによる休業と再開

亜美さんは、以前はアパレル関係の仕事をしていた。しかし、その仕事に自分の未来が見えなかったのだと言う。将来に悩んでいた時、知人から「野毛にオープンするダイニングバーの店長にならないか」と声をかけられた。「新しい場所で、自分の可能性を試してみたい」。一念発起し、経営について学ぶ日々が始まった。

ほぼ同時期に、スペイン料理を中心とする様々な飲食店の厨房で経験を積んできた俊冶さんが、このお店のシェフに決まった。そこからは二人三脚で準備し、無事開業を迎えた。

しかし春になり、新型コロナウイルスが日本中を襲った。緊急事態宣言に伴い、5月には1ヶ月間の休業をせざるを得ず、経営難に追い込まれる。この逆境にもめげず、現在クラウドファンディングでの支援を募集中。いずれのリターンでも支援した金額以上の「食事券」がもらえ、こんなにお得でいいのだろうかと少し心配にもなるが、なんとか支援の輪を広げ、この苦難を乗り越えてほしい。

「ダイニングバー リアン」のクラウドファンディング  

野毛のシメパフェ、その名も「野毛パフェ」

メニューの中でとくに私が気に入ったのが、常連さんからのリクエストで生まれたという「野毛パフェ」である。近年、お酒を飲んだ後に食べる北海道の「シメパフェ」文化が都内でも話題になっていて、それらもヒントにオリジナルパフェを考案したらしい。紅茶のシフォンケーキにラムレーズンのアイスを乗せ、シェリー酒をかけた大人のパフェ。甘過ぎない上品な味に惹かれた。

二人の、自然体の接客もいい。

「お客さんにはリラックスして料理やお酒を楽しんでほしいので、喋りたくなさそうだったら無理に声をかけたりせず、そっとしておきます。久しぶりに家に遊びに来た甥っ子との距離感に似てるかな(笑)僕がお客さんの立場なら、そういう距離感が心地良いので」

「お酒が苦手な方でも全然気にせず、お料理を楽しんでいただきたいです。実際、お酒を飲まず、ご飯だけを食べにくる常連のお客様も結構いらっしゃるんですよ。スペイン料理を楽しみながら、食後に野毛パフェを召し上がってほしいですね」

おいしい料理と温かい人柄が、このお店のファンを生んでいる。コロナが落ち着いたら、またあの野毛パフェを食べたい。



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