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意外と切なさはなく

 今日は学内での陸上の記録会だった。オリンピアンだったコーチを交えてチームメイトたちと800mの最後の競走をした。私は1着でゴールし、タイムも現時点では納得のいくものとなり、引退するにあたって良い締め括りのレースとなった。最後にコーチが猛追してきて、私は越されそうになったが、すんでのところで私が先にゴールすることができた。ほとんど練習をしていないコーチが久々に走って、私は負けそうになるのだから、さすがオリンピアンだ。

 10年陸上を頑張ってきて、そろそろお休みしようと思っていたが、やはりこうして良いタイムが一回出てしまうともっと続けてみたくなってしまう。そうして私は今まで続けてきたのだから。中学でも、高校でも、そして大学でもその気持ちには変わりがない。

 だが、私は陸上だけをやって暮らしていけるほどの競技力はなく、陸上とは別の新しい道を模索するために競技を離れることにする。だが、こうして出会えた800mだ。この身が果てるまで競技は続けていく所存だ。なかなか自己ベストは出ないが、それに近いタイムで毎年安定して走ることはできている。これを何歳になるまで続けることができるか気になるではないか? というわけで、競技は一旦離れるが近い将来戻ってくると、私自身に約束する。

 そう考えているためか、「これでもう終わりか」という感傷に浸ることはない。どこかでもったいないなぁ、競技を離れずこのままずっと続けたいなぁと思う気持ちは拭えないが、それでもいずれ戻ってくる。その約束だけで、次を見据えることができる。

 明日はメンバーの応援をし、リレーで楽しく走り、部を引退する。ひとまず俺、お疲れさま。  

 

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