夜の言葉と夜の読書の記憶
思い返せば、10代の頃は家族が寝静まった夜にいつもひとりで本を読んでいた。物語が終わりその余韻を感じながら眠りにつくのが好きで、本を読み終えるのは夜ひとりの時間になるよう、気を使いながら読んでいた。
人間は昼の光のなかで生きていると思いがちなものですが、世界の半分は常に闇のなかにあり、そしてファンタジーは詩と同様、夜の言葉を語るものなのです。(解説より)
著者のル=グウィンは『ゲド戦記』や『闇の左手』で知られるSFファンタジー作家。自らがどのように小説と出会い、小説を生み