見出し画像

●2020年10月の日記 【中旬】

10月11日(日)

昼、シーフードのミルクシチューを作り、パスタにからめて食べた。ミルクシチューは炒めた具材を小麦粉を牛乳にシャカシャカ溶いたやつで煮て作るのがかんたん、ゴージャス、おいしい。牛乳がなくなった。子どもは眠いのか、母ほどミルク料理が好きでないのか、すこしついばむだけでごちそうさまだ。ほどなく昼寝に入った。

夜は夫ごはんの日ようび。鶏ももとブロッコリーの炒めものをごはんの横にきれいに盛って出してくれた。バター味でおいしい。ブロッコリーをちょうどよいかたさに調理できるの、尊敬してしまう。わたしはいつもやりすぎる。「これ、また食べたい!」と頼んでおいた。子どもはブロッコリーだけ食べていた。ブロッコリーが大すきなのだ。

10月12日(月)

「山からららぽーと落ちてきた」と、しきりに子どもが言う。「ららぽーとウーッて走ってた」「ららぽーとこわかった」とも。ららぽーとに連れていったことは一度しかないし、あの商業施設と彼にとってのららぽーとは違うみたいだ。彼の世界でららぽーとはどんな姿をしているのか。

10月13日(火)

今日の仕事先は感じのいい公民館だった。古い建物でトイレなんかほとんど和式なんだけど、建物の風通しがよくて人の手が行き届いている感じがした。わたしは公民館に萌えがあり、今日の公民館はドストライクではないけどじわじわくる良さがあった。そのうちおすすめの公民館についてまとめて語りたいとか思っている。

仕事が早く終わったので新橋でちょっと飲んだ。ちょっと?

書いたあとでこのニューしんばしビルは解体される予定ということを知りショックを受けた。あの魔窟を解体???

10月14日(水)

古着屋で巻きスカートを買った。巻けんのか?わたし。いっしょうけんめい巻きます。色がすてきだから。山吹色。山吹色っていうとついオーバードライブ!って続けたくなっちゃう。

本屋に寄って漫画を買った。近藤聡乃「A子さんの恋人」7巻と田島列島「水は海に向かって流れる」3巻。いろんな意味で泣いた。だって……楽しみに追いかけていた漫画が一気にふたつも完結した。途方に暮れる。生きる支え(夢中になれる継続中のシリーズもの)が至急必要である。

10月15日(木)

仕事の前、きょうの仕事先の近くにある薬膳の店に寄って薬膳スープの麺を食べた。どうしても食べたかったものを食べ、体の機嫌がよい状態で仕事をしたら負担が少なかった気がする。

10月16日(金)

子どもとふたりで電車に乗った。ムーミンバレーパークを目指して飯能へ。しかしパーク入口(チケット買うとこ)よりだいぶ手前の芝生エリアでじゅうぶんに子どもが楽しんでしまい、結局パーク内に入ることなく帰ってきた。遊具もない芝生の広場で3時間も遊んでしまった。すごい。

丘になっている芝生の広場からは湖がみえた。ときどき風でちょっとシワがよったようになる湖面を手漕ぎボートやカルガモが通り、そのゆっくりさが目にやさしかった。ひさしぶりに目がゆるんだなあと思った。

画像3

10月17日(土)

週末だが夫と子どもとは別行動。わたしは健康診断を受けに都会へ、夫と子どもは室内遊びをしに児童館へ。

これまでは健診といえば仕事の合間を見つけて直前に予約して空きのある施設に駆け込むことが多かった。だからなのか健診駆け込み寺みたいな、最低限の設備だけある雑居ビルの一室って感じのところに当たることが多かった。それはそれで趣があって嫌いじゃない。すごく無愛想に針をぶっ刺されての採血、それなのにめちゃくちゃ上手で全く痛くなくて笑ってしまったこともある。
今回の健診ははじめてひと月以上前から日程を空けて予約をした。夫が「設備がきれいだし、親切だったよ」とすすめてくれたクリニックだ。
今まで健診を受けてきた施設とは全く別物の体験をした。
いつもの「事務的な無遠慮さで触られ、針を刺され、ほじくり回されるアトラクションを急かされながら回るツアー」は何だったんだ、と呆然とするくらい、丁寧な扱いを受けてしまった。男女別のフロアー。気の利いたスーパー銭湯みたいな館内着と清潔な更衣室。ていねいな説明。すべての検査を終えて帰るときには何ならちょっと癒された、くらいの感覚まであった。
「なんかすごくよかった……」と後で夫に伝えた。

健診のあとは飢えているから昼食をとる店選びが重要になってくる。念願のタコベルに行くか、と東京ドームに向けて歩きだしたのだが、途中でインドカレー屋に吸い込まれてしまった。ガラス扉の奥に見える店内には誰も、店員の姿さえも見えなくてしかもすごく暗いのに、堂々と「OPEN」の札がかかっている。「ほんとに?!」って思わず言いながら扉を開けるとやっぱり暗い、夜の夫の部屋より暗い(夫の部屋はまじで暗い)。でも厨房から店員がヌルッと現れて「らさいませー」と言い、愛想よくも悪くもなく席に案内してくれた。やばい。好きな店だ。この際たとえカレーがおいしくなくてもわたしにとっては正解の店だ。と思ったのにすごくおいしいカレーが出てきてゾクゾクした。

画像1

あまり来ることのない街だけど定期健診→このカレー屋を年に一度の楽しみにしようかな。

10月18日(日)

「となりのトトロ」のメイはとうもろこしをとうもころしと言うが、わたしの子どももやっぱりとうもろこしは難しいらしくてとうろもっこしと言う。あとカルピスも言いづらいらしくいつもカルスピだ。わたしが子どものころはおくすりと言えなくておすくりと言うのが面白かったとよく父母から聞かされた。幼い子はまだ文字の世界にいないからなのかな、単語の音の並びにあまり頓着しないのが新鮮だ。いや、大人でもフインキみたいな間違いあるか。

10月19日(月)

子どもの通う保育園ではお昼ごはんに弁当を持参することになっている。はじめの一年くらいは何をどう詰めていいのかわからず、登園する日の朝がくるたび絶望していたが、今となっては慣れたもので半分寝たままでも自動機械のように弁当を作りあげてしまう。食べられるものを詰めればいいのだ。なにかしら乗っけたごはん。おかず。たまごやき又は、冷凍のなにか。ざっくりとした弁当だ。見た目それっぽくなることもあれば(うれしくて写真撮っちゃう)それっぽくならないこともあって、けど気にしない。ごまを振るといくらかそれらしくなるので最後にごまを振ることが多い。あ、ごまかすってそういうこと?
子どもはよく食べるほうで(保育園では)、弁当箱がどんどんサイズアップした。今では少食の大人の女性のランチくらいの量が入る弁当箱を使っている。毎度空っぽにして帰ってくるので頼もしい。

今日は昨晩夫が作った炒めものを入れたから弁当作りがとりわけ楽だった。日曜の晩ごはんを夫が作る、となってから我が家のリズムがちょっと軽快になった気がする。料理って家事にはなんだか他の家事とは別格の大変さが詰まっていて、他の家事とトレードするのは無理があると思う。その大変さの何割かでも、パートナーと共有できている。そう思えるだけで、ずいぶん連携がよくなるのだなあ。そんなことを思った。あと、夫の料理はていねいでおいしくて好き。

10月20日(火)

体力が落ちているのをルミネの階段で思い知る。ルミネを階段で8階まで上るのは2年前くらいのわたしにはそんなに辛いことじゃなかった。今日は6階でくたくたになってスープストックトーキョーで休憩をとってしまう(タイ風粥がすごくおいしかった)。
ここ2、3年で子どもを連れて行動することが多くなり、エレベーターやエスカレーターを多用していた結果なのか。うーん。
もともと駅やルミネの階段上り下りくらいしか運動(?)していなかったけど、そんな運動でもばかにならないものだったんだな……と実感した。

神奈川での仕事を終えて電車に乗り、着いた駅から地上に出るともう暗かった。

画像2

繁華街近くに停めた自転車を回収して保育園に向かう。空のひらけたところに出ると西のほうにはまだ紫色が残っていた。長いカーディガンが風にたなびいて、指先と頬が冷えて、からだの中は少しあたたまっている。自転車をこぐ時間はわたしに滋養をつけてくれる、理屈はわからないけど、自転車に乗ると元気になる。

子どもを乗せて帰り、家につくと食べるものがなかったのではりきって米からリゾットを作った。またミルク味。みんなでフライパンいっぱい分をたいらげた。リゾットっておいしいね。


10月上旬 | 10月下旬

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?