見出し画像

2022年もありがとうございました。

今年の振り返り。

早いもので、2022年も残すところ二日。作家デビューしてからの日々は、とにかく早く過ぎてきましたが、年の瀬になると余計に感じるところがありますね。

デビューして二年目の今年は、日経小説大賞受賞第一作の出版に加えて、良縁をいただいてもう一作を世に出すことができました。また、書き物の仕事や講演のご依頼もいただいたりと、個人的には頑張ったんじゃないかなと思っています。

そんなわけで、活動報告がてら、今年一年の仕事を振り返ってみたいと思います。

●『和らぎの国 小説・推古天皇』

2月下旬に刊行した、受賞第一作です。執筆時点では感染症対策の行動制限が厳しめに掛かっていましたから、取材が思うようにできなかったことが思い出されますね。
そしてもうひとつ。本作では国家の独立性と外交という部分を描くのにも力を入れましたが、刊行に前後してロシアによるウクライナ侵攻が起こったことにも、複雑な思いがありました。

ちなみに、本作については「日経の本ラジオ」さんでもお話しておりますので、ご興味の方はぜひご一聴ください。

●伊東潤先生との対談

『和らぎの国』刊行時には、なんと歴史作家の伊東潤先生からお声掛けをいただいて対談が実現しました。

「有名人に会える!」くらいのミーハーな気持ちと、こちらの話が拙くて対談として成り立たなかったらどうしよう……という不安がありましたが、伊東先生にフォローもいただいて何とか乗り切り。
いやしかし、作家デビューするとこういうこともあるんだなぁ、と妙に感心してしまったのもいい思い出です。

●掌編連作『菊の剣』

4月からは「歴史を楽しむ会」さん発行の『わいわい歴史通信』に連載の場をいただいて、ショートショートの連作を掲載いただくことに。
大河ドラマもあって今年は鎌倉イヤーでしたが、後半にクローズアップされるであろう後鳥羽上皇と、個人的な趣味でもある刀剣とをクロス。いわゆる「御番鍛冶」を題材としてみました。

『刀剣乱舞』が人気を博して以降、刀剣にまつわる逸話や使い手の物語は多く生み出されましたが、作り手である刀匠、それも古刀の時代を題材にしたものはあんまり見ないかなと。
noteにサンプルとして第1話を掲載しておりますので、是非お読みいただければ。ちなみに、年明けの発行号で最終回。登場するのは個人的に最も好きな刀匠、三作にも数えられるあの人です。

●『あるじなしとて』

6月上旬、今年2冊目の長編ですね。発行はPHP研究所さん。はじめて日経さん以外の版元さんとの仕事ということで、さまざま勉強させていただきました。
本作は、執筆に6年ほどを掛けたこともあり、自分としてとても思い入れのある作品でしたから、無事に出版まで手を引いていただいたPHPの皆さんには感謝しきれません。

また、本作の刊行に合わせて、『歴史街道』さんに「政治家としての菅原道真」と題した読み物を寄稿しました。あまり触れられない菅公さんの政治家としての一面が伝わればなと。

また、本作は3本の書評をいただいたほか、「オール讀物」2022年12月号にて、書評家・大矢博子先生に今年の時代小説ベスト10の1冊に選出していただきました。
本当にありがたく、励みになります。ありがとうございます!

●第4回歴塾「歴史作家の頭の中」

こちらは主にしゃべる仕事ですね。
たびたびご縁がある「歴史を楽しむ会」さん。その代表さんが定期的に開催していらっしゃる「歴塾」にて講演させていただきました。

こちらの講座でお話しするのは二度目。『あるじなしとて』の制作過程をお話しつつ、題材の決め方から取材や執筆、発売までのあれこれについてお話を。
新作についても少しだけ匂わせましたが、あのヒントで題材が分かる人はいなかっただろうなぁ…。ちなみに、新作は鋭意執筆中でございます。

来年に向けて。

作品の刊行時期もありますが、年の前半に仕事が集中していますね。
おかげで……というわけではないですが、年の後半はなかなか調子が整わず、ついでに結石で激痛にのたうち回ったりと、なかなか整わない日々が続いた感があります。

実際、勤務先の記者業と作家業とのあいだで、コンフリクトというほどではありませんが、ちょっとバランスの取り方が難しかったかなと反省する部分もあり。
このあたり、兼業作家にはつきものなのでしょうが、もう少し自分で練っていかないといけない課題だなぁと。

やはり、作家は書いてなんぼ、出版してなんぼですから、いま取り組んでいる作品を仕上げるのが第一ですね。

最後に。
まだまだ新人の域を出ない兼業作家にご関心を寄せていただいている読者の皆様、そしてご協力いただいた版元の皆様。
本当にありがとうございました。
どうぞ来年も、ご期待いただければ幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?