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独身アラフォー女性の奮闘記#12 突発SATC女が我に返るために追想体験をさせられてる話

私が急にひとりセックス・アンド・ザ・シティを始めてしまったので、長年の付き合いがある人々が様々なリアクションをしていた。
ドン引きする者、心配する者、いいぞもっとやれ!と言う者など、いろんな意見があったので、参考にした結果、私は今、完全に男断ちをしている。
意図的にしているっていうよりも、なんか面倒臭くなってしまった。

飽き性な性格は自覚しているので、完全に飽きたんだと思う。
そして、いろんな人の言葉で過去を省みるきっかけになったり、なんで今?と思うような事が次々と起きている。これは、成長するための追想体験なんじゃないか、と思ったので記録しておきたい。


遅咲きだけど狂い咲いてはいない

私、こういうことになるんなら、もっと若い頃に経験しておけば良かったな。
そんなことを最近考えている。客観視した結果、痛いおばさんなんじゃないかっていうか、実際痛いよね、なんて思うこともある。けど、踏みとどまったので、狂い咲きではない。

先日、信頼しているアロマセラピストのお姉さんと電話で話す機会があって、かなり長電話になってしまったのだが、彼女は私が枯れ果てて仕事に全ての精魂を搾り取られていた時代を見てきたので、女性性をエンジョイしてくれ!と言っていた。遅咲きでもまだまだ女盛りだから、妊娠と病気にだけは気を付けて楽しんで欲しいって。狂ったら止めるから大丈夫って言ってくれたのが少し嬉しかった。

でも私、別に男好きなわけじゃないし、持て囃されてちょっと良い気分は味わえたけど、別にもういいかな。仕事がめちゃくちゃ忙しくなって、トラブル対応でキレ散らかして、でもパワープレイで粗利削ってまで解決させて、恩を売って最終的に感謝されて思ったけど、私こっちの方が俄然得意みたい。
深夜までクライアントからの修正依頼の対応をして、並行して進めている別件のインフルエンサーリストを作成して、明け方、ほっと一息、白んだ空を眺めながら換気扇の下でタバコを吸いつつ、かつて一緒に暮らした男は毎日ここでLUCKY STRIKE吸ってたなぁ、とかしょーもないことを思い出したりして、サヨナラCOLORを聴いて泣いた。

あの頃の私は、一途で潔く純粋に、他人を愛したなぁ。
とかいう、必要のない思い出しをしてしまった。でも、それに意味があるんじゃないかな、なんてぼんやり考えたりもした。
ここ最近の、恋をしている自分も思いがけず可愛くて、全然悪くないなとは思ったけど、冬が来て、外の気温が下がって、少し頭が冷めた。「いい歳して」とか私、あんまり言いたくないんだ。だって、私の成長スピードと、他の誰かの人生経験を比べたって、私はまだ、熟していないから。
年齢だけ、熟女だって。笑っちゃうよ、こんなにも心が幼いのに。
だからこそ、これからの咲き方は、自分で選ぼうと思う。


真面目だから向いてないよ

オタク仲間とライブに向かう新幹線の中で、あの人とはどうなったの?と聞かれたので、色々話していたら「アマリリスちゃんは根が真面目だから男遊び絶対向いてないよ!」て言われた。
うん。自分でも「向いてないわぁ」ってわかっててやってるとこある。
「大学生のことも、気にかける必要なんかないじゃん。そういう出会い方してるんだから、別に利用されようが利用しようがお互い様でしょ」って言われたんだけど、私が「でもでもだって」と心情を吐露したら「ほら、そういうとこだよ。そうなるならやめとけ」ってさ。だよね。だから、やめた。
みんな、大人だ。

真面目とは何だろう。私は、不真面目な方だと思うんだけど。お酒の失敗も人一倍してきたし、タバコも吸うし、仕事はサボるし、時間にもお金にもルーズだし。
でもまあ、責任感はそれなりに背負って生きてきてるから、きっと皆はそれを言ってくれてるんだろうな。バカの方の正直者で、素直だから、そういう不器用で真っ直ぐなところも、良く言えば真面目って表現にもなりそう。
特に、自分が大切にしたい、関わっていきたいと思う「他人」に対しては、誠実でありたいと思う。どうでもいい奴には平気で嘘もつくし、無視もするけど、大切な人はちゃんと大切にできるという自負はある。
口が悪いから誤解を生むこともあるけれど、ちゃんと謝れる。昔、一緒に仕事をしていたアーティストに、めちゃくちゃ怒られるようなことをしてしまって、それはもう(社会的に)死ぬ思いで謝罪に言ったら、「お前のそういう誠実な性格や、ちゃんと謝れるところは、結構気に入っていた。だからこれからは謝らなきゃいけないようなことをしない努力をしろ」って言われたことがある。ごめんなさいが言えるのは、当たり前のようで、なかなか難しいと、その時に思った。私だって、あの時は本当に逃げたかったから。でも、選択肢がそれしかなくなった時、言い逃れじゃなくて、心の底から謝罪したら、伝わった。

信頼を壊すのは一瞬だけど、元に戻すことはとても難しい。
こんなことを考える程度には、真面目ってことなのかな。


振り返りの強制発動

「見た目は子供、中身は大人」みたいなアニメがあるけれど、私は真逆だ。心がずっと子供のままでいる。それは何故か、自分でもわかっている。15歳で寮に入り、親とはそれ以降、長期間同居したことがない。
子供の頃、たくさん背伸びをした。強制的に自立することを促され、自分も、早く自立できることがかっこいいことだと思っていた。
末っ子だけど、甘えることが苦手だった。男の人にも、甘えたり頼ったりすることができない。だから、友人達に色々言われたことも鑑みた上で、ある程度年齢を重ねて、心と時間に余裕ができた今、私は子供らしさをやりきりたいと思っているんじゃないか、という自己分析に至った。
体はもうすっかり中年で、コロナ禍で増えた体重を落とすのに運動しても、そう簡単には元に戻らない。でも、私の気持ちは、まだまだ年不相応だ。

今しがた、10年くらい前は毎晩のように一緒に飲んでいた、今は既婚の友人から連絡が来た。当時の仲間と久しぶりに会う予定ができたから、もし都合が良ければ参加して、という誘いだった。
その人は、下北沢にあるBarの店長をしていて、当時音楽業界で昼も夜も関係なく働いていた私は、そのお店に入り浸っていた。昔同棲していた男性ともそこで知り合った。そのお店では、同世代のたくさんの常連さんや近所のお店で働く人たちとも仲良くなって、時々ちびちゃんも連れて行った。
お店が閉店して、常連仲間も散り散りになって、みんなそれぞれが結婚したり、出産したり、そんな報告をSNSで見るだけになってしまうくらいの時間が経ったけど、「あの頃毎日一緒に飲んで、楽しかったから」と懐かしい気持ちで私のことを思い出して、声をかけてくれたことが、ここ最近で一番嬉しい出来事だった。
キングクリムゾンさんからLINEが来たことよりも、ずっとずっと嬉しかった。

私は、そういう純粋な人の繋がりが好き。そんな素敵な人間関係を築いてきた自分を誇りに思っている。だからこそ、駄菓子みたいに、美味しいし懐かしい味はするけど、チープでありきたりなTinderの出会いには食傷してしまったんだ。長く漬け込んだ梅酒のように、重厚なゴールドにキラキラ輝く人間関係の方が、価値があって、美味しくて、味わい深い。

この前のポケモンや大学生との逢瀬では20代ってどんな時期だったっけ、と思い起こされる時間にもなっていたし、今回の呼び出しは、10年前の30歳の私を思い出させてくれるターンが来たんだと思う。私の中の未解決な何かをクリアリングするために、起きているんじゃないかって気がした。
ここ最近の私は、過去を省みたり、トライアンドエラーを繰り返しながら、今まで体験したことがないような人間関係を急ピッチで積み上げては壊し、普通の人が段階を踏んで歩んでいる当たり前の人生経験を学んでいたんじゃないかな。

データサンプルの数は少ないけれど、なんとなく、答えが見つかりそうな予感はしてきた。
まだね、はっきりとした気持ちが自分でも見えないんだけど、信じられないくらい焦りもなく、今は集中すべき仕事や、楽しみに思える予定を優先しながら、恋については自分の中で心が動くタイミング待っている。

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