生産性【ショートショート723字】
昔は和気あいあいとした職場だったんだ。僕は体力がなくて一度に運べる荷物の量は少ないけれど、お調子者でみんなを笑わせるキャラとして可愛がられていた。みんな、僕の分を一緒に手伝って運んでくれたりした。通路ですれ違うときに声を掛けたり、時にはおしゃべりしたりして楽しく働いていたんだ。
状況が変わったのは、上司が「運んだ荷物の量に基づいて評価を決める」と宣言してからだ。みんな生産性を上げようと躍起になり、職場の雰囲気は悪くなった。みんなもう無駄なおしゃべりをしたりしない。周りの手伝