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【詩】溺れて死ぬか、力を抜くか

人は辛い時や苦しい時ほど、全身に力を入れ、

歯を食いしばり、ぐっと堪えようとする。



その身を丸め、ぎゅっと目をつむり、耳を塞ごうとする。



この先どうなるか分からない、今をどうしたら良いかも分からない。



そんな不安の真っただ中にいては、

心も体も縮みあがり、

まったく身動きが取れなくなるのも無理はないだろう。



あなたが突然、真っ暗闇の海に投げ出されたら、


恐怖と驚きでパニックに陥り、
体中に力が入って動けなくなってしまうだろう。




そうなってしまえば、あなたの呼吸は乱れ、

海水を飲み、足がつり、

海面に顔を上げることさえ困難になってしまうだろう。




しかし、そんな時こそ落ち着いてほしい。




無理だと思うかもしれないが、冷静になってほしい。


全身の力を抜いてリラックスしてほしい。


そうしてうまく脱力ができれば、

あなたは海に浮かび、波に乗れ、溺れずにいれるだろう。





少し冷静になって周りが見えてくれば、

海に漂う流木に気が付き、それにつかまれるかもしれない。




遠くの船の明かりに気付き、助けを求められるかもしれない。




苦しい時ほど、絶望的な時ほど、すぅっと力を抜いてほしい。



あなたには、持って生まれた素晴らしい力がある。


その優れた力を発揮するためにも、

恐怖や苦しみに怯え、心身を硬直させないでほしい。




無駄な考えを削ぎ落とし、

つまらない感情を省き、

過剰な力を抜いてほしい。




そうやってあなたが自然体になれた時、

あなた本来の力が引き出せるだろう。





私は、そんなあなたと共に、この真っ暗闇の海原を乗り越えていきたい。