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ボストニアンがよく歩き、よく走る理由とは?~そこから得る行動変容へのTips~

こんにちは。
アメリカは肥満の人がとても多いというイメージであった。
しかし、ボストンに来てみると、太っている人は多くなく、街を歩いているとむしろ健康で痩せている人の方が目立つほど多い

その理由一つに、”ボストニアンはよく歩き、よく走る”ということがある。

アメリカは確かに車社会である。しかし、ボストンは電車が発達しており、車を所有していなくても問題なく生活できる(実際に僕も所有していない。)。電車の料金の設定が面白く、1駅利用しても10駅利用しても料金が同じである。しかも、駅間の距離は短いために、1-2駅の移動なら電車より歩いてしまうのだ。
また、ボストンは歩行の道路の幅が広く、ランニングするに適している。朝でも夜でも、ランニングしている人はよく見かける。


このような歩きやい街、ランニングしやすい街の設定が、結果的に健康的になっている可能性がある。

こういったことを証明した研究を一つ紹介する。

研究概要
研究のは目的はカナダの都市部の歩きやすい街が、車依存度の高い街に比べ、住民の過体重、肥満、糖尿病に与える影響を調べることである(前向き研究を実施している)。
方法は歩行指数(Neighborhood walk-ability derived from validated index、この指数は、人口密度、住宅密度、歩行目的地(徒歩10分以内で行ける小売店、図書館、銀行、コミュニティーセンター、学校などの数)、道路の連結性(交差点の数)の4項目から算出する)と肥満の有病率、糖尿病の罹患率などとの関係を調べている。
結果は、もっとも歩行指数が高い街(もっとも歩きやすい街)は最も低い街(もっとも歩きにくい街)と比較し、過体重と肥満の有病率は約10%も少なかった(95%CI:-13.5から-6.8%)。
また歩行指数が高い街(もっとも歩きやすい街)では糖尿病の新規発症が減ったことも認めれた(7.7→6.2/1000人へ減少した(変化:-1.5/1000人(95CI:-2.6 ~ -0.4))。一方で低い街(もっとも歩きにくい街)は変化しなかったのである。

人間の行動を変えることは難しい

我々の健康への行動を変えることはとても難しい。変えてほしいとお願いして、変わるのであれば現在の病気の多くはなくっている。
インセンティブを与えることや、楽しいと思わせること、環境作りなど。気づいたら行動が変わっていたというような取り組みやアプローチがとても重要である。

In Boston, I found that there are a lot of people who is walking and running in the street. In my opinion, there are major 2 reasons why people in Boston are often walking and running. The first one is the fee of train. The fee of train is same even in if either you use 2 stations or 10 stations. As the results,in the case of shorter distance, you may choice of walking but not using the train. The second one is the range of street is wide. And it is easy and safe to walk and run.
These the well walkable cit may be same Tips for the health.
Also, previous study from Canada,  the the well walkable city may prevent the incidence of overweight, obesity and diabetes.
To change our behavior about health, changing the environment which encourage you change the behavior  is most important.

参考文献
Association of Neighborhood Walkability with change in Overweight,Obesity,and Diabetes. JAMA 2016;315(20):2211-2200

◆プロフィール情報
埼玉医科大学卒業後、都内の大学付属病院で初期研修を終了し、腎臓病学や高血圧学の臨床や研究に従事し、抗加齢医学専門医や腎臓内科専門医等の資格を取得。
予防医学やアンチエイジングの重要性を感じ、2016年より帝京大学公衆衛生大学院に入学し、「食生活や生活習慣等など日常生活を改善することで、身体だけでなく心もHappyに」をモットーに、予防医学やアンチエイジングに関する研究を行っている。
2018年秋からハーバード大学公衆衛生大学院 (Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学中である。
◆資格
腎臓内科専門医、抗加齢医学専門医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医、
公衆衛生学修士(Master of Public Health: MPH)
◆HP
https://activehealthlab.tokyo/

*本ブログにおける発言は個人的なものであり、所属組織を代表するものではありません。

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