マガジンのカバー画像

鉱物備忘録

77
今まで集めてきた鉱物についてただ語るだけのエッセイ。
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

No.74 ヘリオトロープ

No.74 ヘリオトロープ



ヘリオトロープ。
通称「ブラッドストーン」
濃いグリーンのカルセドニーの中に赤いジャスパーが斑点状に混ざったもので、人類が初めてお守りとして使用した石の一つである。赤いジャスパーが血飛沫の跡に見えるため「ブラッドストーン」という通称がついたのだが、この個体は血の感じがなんか薄い。
一緒にくっついていたタグには「水に濡らすと血の色らしさが増す」と書いてあったので試してみたが、色が鮮やかになっただ

もっとみる
No.73 ベニトアイト

No.73 ベニトアイト



高級感のあるロイヤル・ブルーと品のある輝きが印象深いベニトアイトのルースだ。大きさは米粒ほどしかないが大きさ以上の存在感があり、凛とした強さがある。
ベニトアイト。
この鉱物はダイアモンドを凌ぐ希少石として有名だ。
市場に出回ればダイアモンドよりも高額で取引されることが多い。
このルースも小粒であるにも関わらず1万円以上の値段がついていた。
何故底まで希少なのか?
ベニトアイトは大粒で産出しに

もっとみる
No.72 セレスタイト

No.72 セレスタイト



和名は「天青石」。その名の通り澄んだ青が清々しいセレスタイトだ。
セレスタイトは硬度が低く割れやすい上に、日光で退色しやすい性質がある。そのため結晶は綺麗なのだが宝石としてカットされることはほとんどない。だがやはり結晶が美しいので鉱物標本として高い人気を誇っており、鉱物イベントでは99%確実にセレスタイトの原石を見かける。
そんな美しい薄青が特徴的なセレスタイトだが、これを炎の中にぶち込むと炎

もっとみる
No.71 スペサルティンガーネット

No.71 スペサルティンガーネット



小麦色に輝く美しきスペサルティン・ガーネットだ。中に入っている気泡のようなインクルージョンもなかなか味があって良い。
スペサルティン・ガーネット。実はこの宝石を取引する際「Fanta or Cola ?(ファンタとコーラ、どちらがいいですか?)」と聞かれるらしい。明るめのオレンジなスペサルティン・ガーネットがほしければ「ファンタ」で、その逆に暗めのオレンジブラウンであれば「コーラ」なのだそう。

もっとみる
No.70 アポフィライト&プレナイト

No.70 アポフィライト&プレナイト



この標本はとある鉱物店のくじ引きにて、最下賞の景品にされていたものだ。当時くじ引きで見事に外した私は最下賞の景品を物色し、偶然にもこの標本を発見した。
標本のタグには「プレナイト」と表示されている。
だがどう見てもプレナイトではない。明らかにアポフィライトだ。
しかし、タグは「プレナイト」と主張している。
おかしい。
考えてもキリがないので店員さんに「これ、アポフィライトですよね?」と聞いてみ

もっとみる
No.69 ペリドット

No.69 ペリドット



インクルージョンはあるが透明度が高く明るい若葉色の高品質なペリドットの原石だ。品質だけ見れば十分宝石になりうるレベルの原石である。
しかし、どうやら小さいペリドットは採掘されてもそのまま捨てられてることが多いようだ。アメリカのとある場所ではペリドットの原石が小石のようにゴロゴロと採れるのだが、品質の良し悪しにかかわらず1センチに満たない原石はその場で捨てられるらしい。
これをツイッターで知った

もっとみる