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鉱物備忘録

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今まで集めてきた鉱物についてただ語るだけのエッセイ。
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2020年8月の記事一覧

No.58 プレナイト

No.58 プレナイト



丸々とした形が可愛い良きプレナイトだ。
砂糖をまぶしたようなキラキラとした細かい結晶も表面に観察できる。さながらスイーツのような甘そうな鉱物だ。
プレナイト。和名はぶどう石。由来は見た目通り結晶の形が果物のぶどうのようだからである。結晶が丸い形に成長する鉱物の代表格だが、プレナイトの他にも丸い形になる鉱物は割とある。
例を上げるとスミソナイトやヘミモルファイトが有名だろう。また厳密には鉱物とは

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No.57 アクシナイト

No.57 アクシナイト



アンダルーサイトほどの強さはないが、ブラウンをベースにオレンジやイエローの多色性がある。落ち着いた色合いと透明感が大人な雰囲気を醸し出す良きルースだ。
アキシナイトは私にとって憧れの鉱物だった。その魅力についてはまた別の機会に話すが、アキシナイトは名前の由来や色合いなどすべてが「カッコいい」の一言に尽きる鉱物なのだ。
だがしかしあまり多く出回るものではなく、当時の私は透明感が低く結晶の形が不明

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No.56 ダイアモンド

No.56 ダイアモンド



ダイアモンドといえば日本人が最も好んでいると言っても過言ではない鉱物であり、世界レベルでも常に高い人気を誇っている鉱物だ。結婚指輪といえばダイアモンドを連想する人も多いだろう。
だがしかし、メジャーであるがゆえにスフェーンやスファレライトなどマニアックな鉱物に目が行きがちだった私は、当時「ダイアモンド」という鉱物にさほど注目をしていなかったのだ。
もちろん、ダイアモンドの凄さは十分理解している

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No.55 シンハライト

No.55 シンハライト



シンハライト。聞き慣れない鉱物だがそれもそのはず、この鉱物は20世紀までフォルステライトだと勘違いされていたのだ。そして新種の鉱物とわかり「シンハライト」という名前がつけられたのは1952年。歴史的に見ても浅く、希少性以前に知名度が低いためあまり市場に出回っていないのだ。ポテンシャルは高いのだが結構損な立ち位置の鉱物である。
事実ミネラルショーなどのイベントでもお目にかかる機会は少ない。私も一

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No.54 アラゴナイト

No.54 アラゴナイト



柱状の結晶が集まって丸い形になっているのが可愛い。一つ一つの結晶の質がよく、透明感も高い。
アラゴナイトは和名を「あられ石」という。私は最近までお菓子のあられからこの和名がついたのだと思っていたが、どうやら違うらしい。
あられ石の「あられ」は天気の霰であり、温泉の中にできたアラゴナイトの細かい結晶が霰のように見えたためこの和名がついたそうだ。
とはいえこのアラゴナイトの原石は、天気の「霰」とい

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