♯10 算数授業の板書③
10日連続でのnote投稿となりました、天治郎です。「算数授業の板書シリーズ」最終投稿(おそらく)です。過去記事と合わせてご覧いただければ幸いです。私の中では、一旦連続投稿を区切りにします。今後は、週1回以上投稿していきます。
今日は今までで一番長くなってしまいました。お忙しい読者のために、以下が本稿の要旨です。
・板書を活用しその効果を十分発揮させるために、補助的な役割を担うものとして「ふきだし」、「色チョーク」、「矢印」、「見出し」、「枠囲み」の5点を適切に用いて構造化していく必要があるといえます。
「板書は、児童とともに創りあげていく1枚の大きなノートである」と捉えた際に、「日付」、「児童の発言やつぶやき」、「児童の問い(数学的に表現した問題・焦点化した問題も含む)」、「数学的な見方・考え方」、「児童の解決方法」、「まとめや次なる問い」の6つは、板書に残すことが大切です。
・板書は児童が深く考えるための重要な手立てであり、学びを振り返るための重要な手立てであり、新たな問いや発見するための重要な手立てです。
(1)板書の活用の具体
まず、「板書の活用の具体」について検討します。細水(2007)は、「板書の活用」の具体として、
の4つを挙げ、それぞれ実践事例をもとに論じています。
ここでは、「問題提示及びまとめの場における板書の活用」に注目します。問題提示の場における板書の活用として、
の3つを挙げています(pp.42-47)。そして、子どもの声で問題をつくることについて、
と述べています。これは、文部科学省(2018)が示す「問題発見の過程を重視すること」そのものであるといえます。
一方、まとめの場における板書の活用として、
の3点を挙げています(pp.65-69)。上述した1点目について、以下のように述べています。
これは、二宮(2006)が、
と評価の文脈で述べたことと一致しています。板書でも、学習活動のあらゆる場面で適切にまとめていくことが大切であるとともに,それが児童自身のまとめにも繋がると捉えることができます。つまり、問題発見・解決の過程において、それぞれの段階で板書を適切に活用していくことが肝要です。
(2)板書を補助する役割をもつもの
次に、「板書を補助する役割をもつもの」について検討します。細水(2007)は、板書に流れの中で位置づけ表すものとして、「日にち、ナンバー」、「課題」、「課題から生まれてきた子どもの問いや問題」、「子どもの反応、しぐさや動き、つぶやき」、「大切な数学的な考え方、態度」、「考え同士のつながり」、「考えを価値づけする観点」、「まとめ」 の8点を挙げています(p.38)。その中で,補助的な役割を担うものとして、「ふきだし」、「色チョーク」、「矢印」、「見出し」、「枠囲み」の5点を挙げています。
同様に、夏坂(2012)も、
と述べていいます。一方,田村(2018)も、算数教育の文脈ではないですが、板書を構造化するための手立てとして,以下のように述べています。
以上のことから、板書を活用しその効果を十分発揮させるために、補助的な役割を担うものとして「ふきだし」、「色チョーク」、「矢印」、「見出し」、「枠囲み」の5点を適切に用いて構造化していく必要があるといえます。
また、尾﨑(2016)は、板書に必ず書くべきものについて、「日付」、「課題(問題文)」、「課題に対する解決方法」、「子どものつぶやき」、「まとめや次時につながる問い」の5点を挙げています(p.108)。この4つ目の子どものつぶやきについて、
と述べています。これは、細水(2007)が、
と述べたことと同様の見解です。尚、尾﨑(2016)も、色チョークの使い方の重要性を指摘しています。
「板書は、児童とともに創りあげていく1枚の大きなノートである」と捉えた際に、「日付」、「児童の発言やつぶやき」、「児童の問い(数学的に表現した問題・焦点化した問題も含む)」、「数学的な見方・考え方」、「児童の解決方法」、「まとめや次なる問い」の6つは、板書に残すことが大切です。これらにより,児童が「数学的な見方・考え方」を働かせ,「数学的活動の充実」を図ることにもつながっていくことでしょう。
(3)板書の具体例
これまでの検討を踏まえて、私は実際の授業で、
児童のつぶやきや発言は、ふきだし等で黒板に残す。
数学的な見方・考え方については、見出しや色チョーク(主に赤色と黄色)で示す。
問いは、青チョークで示す。
を意識しています。
実際に3つの板書例を挙げます。1つ目は、6年生「拡大図と縮図」の導入の授業の板書です。
これは、時系列にそって板書していきました。縦を3分割にして時系列にそってかく板書は、算数授業の基本の形でしょう。
2つ目は、3年生「わり算」の導入の授業の板書です。
これは、真ん中から板書を始め、左右に既習と未習を意図的に配置して対比させていきました。
3つ目は、2年生「大きな数」の授業の板書です。
これは、黒板全体を使って、中央から周囲へ、周囲から中央へと意識して板書しています。
上記3つの板書例のように、私は「時系列型」、「左右対比型」、「全面型」の3つの型を基本として、本時で扱う内容に合わせて使い分けています。 最近は、「半々型(PCの画面と黒板)」も使っています。
(4)終わりに
板書は児童が深く考えるための重要な手立てであり、学びを振り返るための重要な手立てであり、新たな問いや発見するための重要な手立てです。ICT機器が自在に使えるようになった今だからこそ、「デジタルとアナログの両輪」をより一層意識していきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。御意見等お待ちしております。
【引用・参考文献】
細水保宏(2007).確かな学力をつける板書とノートの活用-授業をもっと楽しく,魅力あるものにしよう!-.明治図書.
文部科学省(2018).小学校学習指導要領解説(平成29年告示) 算数編.日本文教出版.
夏坂哲志(2012).夏坂哲志の板書で輝く算数授業 教師の表現力を育てよう!.文溪堂.
二宮裕之(2006).算数・数学学習における評価とその成果に関する一考察-レポート形式の評価の事例を手がかりとして-.日本数学教育学会誌 算数教育,88(10),12-21.
尾﨑正彦(2016).小学校算数の授業づくり はじめの一歩.明治図書.
田村学(2018).深い学び.東洋館出版社.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?