子どもの権利と教師のみる目
6回目のnote投稿となりました、天治郎です。
いきなりですが、私は何年かに一度、有田和正先生の著書である「子どもを見る目の鍛え方入門」という本を読み返します。読むたびに、「もっとしっかり子どもたちを『みる(あえてひらがなです)』努力をしたいな。そのために、もっと勉強したいな。」と思います。この本の中で、いくつか心に残る言葉や文章がありました。その一つが、
という文章です。常に自問自答していこうと強く思います。
さて、今回のテーマは、「子どもの権利」についてです。お忙しい読者のために、本稿の要旨は以下の通りです。
教師一人ひとりが、「子どもの権利」をしっかり意識して教育活動を行っていくことが大事です。また、そのためにも「教師のみる目」を磨き続けることが大事です。みんなで、「子どもの意見を尊重」し、「子ども自身が尊重され、安心・安全を感じる環境」を創っていきましょう!
(1)子どもの権利条約
教育新聞で気になる見出しを見つけました(見たのはかなり前ですが…)。それは、「子どもの権利の認知度を調査 教員の3割がよく知らず」です。記事によると、「意見を聴かれる権利」、「遊ぶ、休む権利」については、4割の教師が「子どもの権利としてふさわしいと思う内容」として選ばなかったようです。大きな驚きをもった一方で、恥ずかしながら「私自身もよくわかってないのでは?」と考え、調べてみました。調べてみると、私はわかっているようで、わかっていませんでした。
子どもの権利条約は、子どもを一人の人間として認め、権利の主体として捉えたものです。この条約には、4つの一般原則があり、子どもに関わる様々な関係者が前提とすべきものです。以下が、4つの一般原則です。
4つの原則は、日本で2023年4月に施行する「こども基本法」にも取り入れられています。他にも「休み、遊ぶ権利(これは子どもたちの健康とウェルビーイングにとって重要な要素です)」、「いろいろな方法で情報や考えを伝える権利」、「『子どもの権利条約』を知る権利」など、子どもが健やかに育つために必要な権利がたくさんあります。
(2)2つの原則の関連
私が特に注目したことは、4つの一般原則の「子どもの最善の利益」と「聴かれる権利」です。この2つの原則は、密接に関わっていると考えます。
「子どもの最善の利益」について考えてみると、子どもの最善の利益は、子どもの状況、背景、ニーズを考慮に入れながら決める必要があり、学校や親の都合を子どもに対して勝手に押し付けることがあってはいけないということです。子どもの意見を尊重する必要があるわけです。最近ニュースでも取り上げられる「校則問題」は、これに関わることでしょう。私自身の学級経営で見直してみると、「子どもたちの状況やニーズを考慮しながら、いろいろなことを決められたかな?」、「私の都合を勝手に押し付けてないかな?」という問いが生まれました。
「聴かれる権利」について考えてみると、「子どもは、自分の意見を自由に表すことができているだろうか?」という問いが、まず思い浮かびました。子どもが自由に意見を表すためには、「自分が尊重され、安心・安全を感じる環境」が必要だと、私は考えます。心理的安全性です。一方で、自分の考えや気持ちを言葉で上手く表現できない児童に対しての「教師のみる力」を高めていくことも不可欠です。冒頭に述べた有田正和先生の著書にも関わってきます。
子どもの意見をしっかり聴き、しっかり受けとめた上で関わっていくことが、子どもの最善の利益に繋がるのではないでしょうか?
(3)終わりに
4つの一般原則をうまく落とし込めないこともあるかと思いますが、教師一人ひとりが意識して教育活動を行っていくことが大事です。また、そのためにも「教師のみる目」を磨き続けることが大事です。「子どもの意見を尊重」し、「子ども自身が尊重され、安心・安全を感じる環境」を、みんなで創っていきましょう!
【引用・参考文献】
有田和正(2006).子どもの見る目の鍛え方入門-子どもの見方がうまくなる第十二章-.明治図書.
おやこのミカタ(https://www.savechildren.or.jp/oyakonomikata/)
Unicef(https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig.html)
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