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『クロサギ』第6話:氷柱の想いと神志名の過去が黒崎の心を揺さぶる

平野紫耀主演、ドラマ『クロサギ』が2022年10月21日より放送スタート。

現代を舞台に、平野演じる黒崎高志郎が詐欺師を騙す詐欺師「クロサギ」として暗躍していく姿が描かれる。共演に黒島結菜、井之脇海、三浦友和ら。

これまで黒崎の過去や心情が多く描かれてきたが、第6話では氷柱と神志名にスポットがあたる。そこで今回は、両者に着目してレビューを綴っていく。

※ネタバレを含みます。


氷柱の使命感

第5話では、宿敵・御木本(坂東彌十郎)との対決に決着がつき、黒崎の本当の敵は御木本ではなかった……と、謎を残して終了した。さて次は怪しそうな宝条兼人(佐々木蔵之介)と対決かと思うも、予告を見る限り、一転してラブコメ色が強くなっているではないか。

ーーと前回衝撃を受けたわけだが、テレビの思惑にまんまと引っかかってしまった。氷柱もこれには騙された様子。

詐欺にあった同級生の力になれず落ち込んでいた吉川氷柱(黒島結菜)は、黒崎に食事に誘われる。楽しみにしていた氷柱だが、到着したのは詐欺師が行うマンションの即売会だった。

デートは叶わなかったものの、2人の距離は確実に近づいている。相変わらず氷柱がしゃべりすぎているうちに、黒崎が胸の内でいろいろ巡らすというパターンが多いが、黒崎の対応は以前より塩でなくなっている。

氷柱のすごいところは、いつも黒崎に未来の話をしているところだ。黒崎には暗い過去があるから、せめて未来は幸せであってほしいという願いが込められているのだろう。「黒崎の全部を理解して受け止めてくれる人に出会えたら」って、決して「私ならあなたのことを理解できる」とは言わないのが氷柱らしい。

ズカズカ行っているようで一歩引いているところは、検事になるという夢から、氷柱自身が少し壁を作っているようにも見える。

しかし、過去を知ってしまった以上、黒崎を放ってはおけない!という使命感に似たものを持っている姿は、典型的な優等生だ。風紀委員に向いてる。

今のところ、熱弁ものらりくらりとかわされているけれど、なんだかんだで氷柱は黒崎にとって一番近い女の子。黒崎はどう思ってるのかわからないが、氷柱のことを「口うるさい。でも隣にはいてほしい人」みたいに思ってたらいい。


神志名の葛藤

黒崎を執拗に追いかける刑事・神志名将(井之脇海)の衝撃の過去も明らかになった。神志名の叔父はシロサギ。叔父との関係を隠すためわずか2歳で戸籍から殺され、遠縁である神志名家で新たに生まれたことになっている。そのため、戸籍上と実年齢が異なっているのだ。神志名もまた、黒崎と同じように詐欺によって人生を狂わされていた。

神志名が必要以上に黒崎につっかかるのは、似た者同士だからだった。黒崎も言っていた「何もできない警察」の自分に対し、黒崎は自分の手で詐欺師を破滅させている。神志名も警察の無力さを本当はわかっているからこそ、羨ましいというか、劣等感とか憤りを感じているのかも。

「警察に任せるんだ」という言葉も、もうこれ以上俺の無力さを思い知らせないでくれといっているようにも聞こえる。今の自分に何ができるかわからない、黒崎にも置いて行かれているで、一人で暴走してしまっているようだ。壮絶な過去を経験し、詐欺師を恨む気持ちも強い。しかし、詐欺師に復讐するために歩んだ今までの人生が、台風の中か温室かくらい環境が違うのかもしれない。

氷柱の闇バイト詐欺の件でもあったけど、もしかして法律と正義って相性悪い?

方法や考え方は違えど、神志名と黒崎は同志なのではないか。これまで神志名は黒崎を否定してきたが、心の中ではずっと自分もシロサギ側だと思っていたようだ。自分の過去を語る姿は、初めて警察らしくない、神志名らしい部分が垣間みえた。


新たな仇が現れる

黒崎は調べを進めるうちに、ひまわり銀行執行役員・宝条兼人にたどり着く。御木本のいう黒崎の真の仇とは、宝条なのか。

氷柱との恋愛模様、神志名の境遇、白石との共闘、桂木との関係など、気になることはたくさんあるが、今回一番印象に残ったのは、氷柱に想いを寄せる大学助教・鷹宮輝(時任勇気)の豹変ぶりだ。しかし、序盤から胡散臭さは満点だったので、私の心の声が「やっぱり!!」と言っている。

鷹宮は、宝条のことを「おじさん」と呼ぶ。今後の展開に絡んでくると予想するが、彼もまた闇を抱えているのだろうか。


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