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詩集

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詩を書いていきます。
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#現代自由詩

【詩】絶対に生きる事。

俊敏な体操で世界を潰せ。勇気をアイデンティティにして、見違える程の怒りを自分と世界にぶつけろ。 殺せ。殺すんだ。気持ちの悪い愛を溶かすように。最高の瞬間の愛を全くの無意味に変えるように。 フロンガスの中身は、何色なんだろうか。 君の中身が怪物と同等の処理能力しかなかったら。 つまらない夢なんか消して、もっと尊い、とんでもない夢に変えるんだ。 店番をしながら大声で客に叫べ。 心の奥底の声を。 あいつの爪痕が残ってたら、叫んでかき消すんだ。 充分似ている本当の二つ。 どちらも正解

【詩】世界の終わりなんてどこにもない

昨日から続く人生を 全て吸収する世界の終わり 足跡も何もかも全て吸収する 世界の終わり ゴッホもセザンヌも全て吸収する 世界の終わり 渡る世間は鬼ばかりも全て吸収する 世界の終わり それが来る事はなく、いつまでも、地味ーーに、この感情のややこしさ、思考のめんどくささと、生きていくんだ 飲もうぜ

【詩】人間が持つ、時間の尊さ

気持ちの悪いピラミッドは、目玉焼きに似合わない 目玉焼きに似合うのは、もっと、白いご飯とか、ソーセージとかだ でも、時々、僕達は似合わない物と一緒になる お互いがズレていて、でも、一緒にならざるを得ない 小さな亀の甲羅の上を、アリが歩いていた アリは、亀だという事に気付いて登っただろう それとも、なにか柱のような物だと思って、登ったのか 僕達は、地球の上を歩いている事に、気付いて、歩いているのだろうか この本棚の本が、どれくらいの人生がかけられて作られたか そういう事に、気

【詩】自称ゴミ箱くんのマツエク

空と地面を繋ぐ豆の木かもしれないよ その食べようとしている豆は 保険会社に勤めてはや3年 命を命で覆う。中の命という漢字が、覆った命という漢字から透けて見えて、二重に命という字が見える 俺を俺で覆う事も出来る 夢を夢で覆う事も出来る 二重になって出っ張るけど、本当のソレには届き辛くなるんだ 壊したい 何もかも壊したい 嘘。グランドピアノをチェーンソーで削れば、多分それだけで一年は満足出来るだろう 君は、何かを壊したい願望はあるかい? それは、ケチャップを捻り潰すだけなのか

【詩】ドキドキする心の光

胸が爆発する ドッキンドッキン パクパク幸せ 私の力強い愛が、あの人に届きますように 色違いの靴下を履いて街に出かけよう イヤフォンから流れる曲は、いつだって初めての曲、あの人と同じ物を聴けるかもしれない曲 手を繋ぐ為の右腕は、私を支えてくれる 突然雪が降るとしたら、確実に私の為なんだ 手帳が風に吹かれて、パラパラとめくられる 偶然、パラパラ漫画みたいに、落書きした色んな動物の表情が変わりゆくのが見える 私の人生がパラパラ漫画だとしたら あの人の人生のパラパラ漫画と同じ

【詩】優しい私の心を抱きしめて

こんなに辛くても こんなに悲しくても こんなに愛してくれる人がいるから こんなに生きていける こんなに楽しくて こんなに嬉しくて こんなに愛せる人がいるから こんなに生きていける そんな気持ちの裏面には、掻き乱れた傷跡があって、いつ自分に悲鳴を浴びせるかわからない だけれども、前を向いて、たまに後ろを向いて、のんびり幸せに生きていきたい 牛乳パックを開けたら中身がこぼれて服に着いた アイロン台はまだ熱かった 炊飯器はまだ鳴らなくて 掃除機のコードで転びそうになる そん

【詩】渋滞したピアス待ち

私が消えて無くなった頃、その人の居場所がわかった。また生まれた瞬間、その人の居場所がわからなくなる。表と裏みたいだ。コイン?いや、1円玉にもならないような奴。つまらない奴。なんでつまらないかは、私が決めたから。そうでもしないと、耐えられないから。 線路で寝転んで、寝返りを打って早押しボタンを押す。死ぬ理由の早押しだ。中央線と、埼京線と、京王線。どの人が最初に正解出来るかな。 時々、思わないんだ。いつも何かを思っているのに、時々、思わないんだ。 薬が小さい。苦痛も小さい。

【ポエトリーリーディング】命・人間ザコ宝

「命・人間ザコ宝」 俺の命は人間ザコ宝 電車で座ってて唾吐かれるよ カバンを顔に当ててガードをするけど カバンを蹴り上げ唾吐かれるよ 俺の命は人間ザコ宝 実は翼が生えているけど 汚い言葉を落書きされて だからとても広げられない 閉じたままな翼なんだ 光を浴びると眩しくて 夢の中で特に何も起きない 君と俺なら何も出来ない どうしてくれるんだ 沖縄に行きたい 沖縄に行きたい 適当に言ってるけど 沖縄に行きたい 人生で沖縄に行きたいって いっぱい言ってる だけど今年も多分行かない そんな感じの人生さっ

【詩】気持ちだけが住むその場所で

捨てられた私はトラックに乗って大手町まで行って飛び降りた 大手町の角には揺らぎの寂しさがあり 少し触れると真っ直ぐ立つ寂しさであった 切なさと悲しさがまぐわっていて、それを喜びが目を輝かせて見ていた 怒りと虚しさが闘うコロシアムは、意外と、沢山の家族連れの平穏が見ていて、手を振っていた 私だけが物体である 他は気持ちしかない世界だ 私は、私は、 あ、私は気持ちを無くした 気持ちがなくなり、物体だけになった それを見た喜びが、ぴょこぴょこと跳ねて、私の周りを踊った なんてことだ

【詩】ラーメンを投げる競技を馬鹿にする

なんだよ、ラーメンばっか投げて 馬鹿じゃねえの 勿体ねぇしよ 俺だったらざるそばを投げるね そばが嫌いだからよ 排他的な信者が集うバス停 そのバスの行き先は俺 俺の所へ全員が集まる この世の排他的な信者が ズルい人にだけはなりたい お金はケチりたい うどんばかり食べたい 世界を征服したい ソロ活動をしたい てんとう虫を食べたい 腕まくりをしたい ツララを舐めたい 馬鹿になっているみたいだ俺は 俺はなんて馬鹿なんだ 俺は気力が無い カフェインも無い なにしてんだ俺は 馬

【詩】愛してろりすとばんど

愛してほしい、両津勘吉よりも 愛してほしい、推しの子の知らんキャラよりも 愛してほしい、ガリガリ君の梨味よりも 愛してほしい、サンリオのハンギョドンよりも 愛さないなら、ピッピの指を振る 愛さないなら、後ろから布をかける 愛さないなら、リフトの降りる所に駆け込む 愛さないなら、ポテチ食べた手でビンタする 私が死んだ後に愛されるくらいなら 私が死んだ後に評価される方がまだマシ 私が死んだ後に感謝されるくらいなら 私が死んだ後にSUZURIでマグカップにされる方がまだマシ

【詩】好きと嫌いを逆に言う

好きと嫌いを逆に言う そんな事ばかりしていたら 心は自分の為だけに 温かくなって辛い 好きと嫌いをそのまま言う そんな事ばかりしていたら 頭は自分の為だけに 傷付いていって辛い 誰かの傷と私の傷を交換して もっと辛くなったらどうしよう こんなたいしたことない傷は 森に居るリスと交換したい 苗字を交換したら変わるかな 名前を交換したら変わるかな 顔を交換したら変わるかな 頭を交換したら変わるかな 全てのパーツを誰かと交換して 自分の全てが入れ替わったら 残っている自分は

【詩】マシュマロの摩擦熱

マシュマロが飛んでくる 私の心にぶつかる 私は答えて、堪えて、応える 甘い物と辛い物では甘い物をいつも選ぶのに、結局食べるのは辛い物ばかりだ、私の人生って物は 心がすり減って、悪い気持ちが消化されていく 内臓をピンク色に染めて、血は水色に染めて、私の中身を見てほしい 空っぽの頭の中身と、色鮮やかな体の中身 死にたい想いが届かないように私だけの言葉を使う 誤魔化しとか、演技とか、そんなんは要らない 嫌いな言葉をマシュマロにしてぶつけて欲しい 私に投げ付けて、全てを スマホ二台

【詩】命が腐る尊さ弁当でピクニックした君の変顔

損失の葉 右腕の優しさ 悲しみの小鳥 手品の跡 利益の夢 左腕の病み 喜びの龍 本音の未来 筒抜けになった君の頭にピストルを当てて声でドンと言う時の君の表情は悶えていないと嫌いだから僕は旅をしてきた日本を2周ね 底が抜けたブーツを針で再結集させて履いた時目から涙が出た理由を君にだけ教えてあげようと思ったけれどもう眠いからもう永遠に言わないね 無限大のカミソリが無限大のキツツキに無限大キスさせる無限大の君と無限大の僕 ほらね、普通ってここには無いでしょ 馬鹿みたいに笑うのが