ダム雑談 石田川ダム
ダムカード取得のために訪れた石田川ダムの現状を怪談ではなく雑談として噺をしていきたい。まずは撮影してきた写真から紹介しよう。撮影時(9月11日)は生憎の曇り空だったが、石田川ダムの駐車場に車を停めさあ撮影しようかと準備をしようとした矢先にバケツをひっくり返したようなどしゃ降りの雨が降り出した。致し方なく、ビニール傘をさした状態で撮影をすることにした。
この写真をみて違和感を感じたと思うが、ネタばらしは後ほど改めて紹介する。
段々とネタがわかってきたところでネタばらし。
堰堤に向かうまでにダムカード取得のために石田川ダムの管理事務所を訪れてから写真撮影をしたのだがその際にダムの職員さんから言われたのが"写真撮影するには寂しい光景が広がってますよ。今降っている雨が恵みの雨になると良いんですけどね。"と話していた理由がわかってしまった瞬間だった。
堰堤だけを見たら立派な造りのダムであるが、ダム湖を見たら貯水率0%のダムとはこういうことなのかという現実を目の当たりにして言葉を失う。
水が全くないダム湖を見たのがはじめてで、正直な感想としてはダム湖の底の部分が見れて神秘的だとも何とも思わなかった。ただただ原っぱが広がる中で小川が流れている。浮き玉が本来なら水面に浮かんでいるはずが地面に垂れ下がっているのを見たら何があってこんな現状になったのかが気になる。
何故水が殆ど無いのか。その点については、最後に訪れた姉川ダムのダム職員の方から情報を教えて頂いたので、最後の結論の部分で触れたいと思う。
ダム湖の水面を撮影していたらよく見かける木屑も水面ではなく地面にある。
実はこのダムは、いつ発生するか分からぬ自然災害に備えて造られている。灌漑対策の為の貯水が目的ではなく防水をすることが目的である。
水の深さは子供が入っても大丈夫な浅さだろうと思われるが、たとえ水が殆ど無いダムとはいえ危険が伴うために絶対に立ち入ってはならない。
石田川ダムで撮影してきた全ての写真を公開したところで姉川ダムの職員の方から聞いた話のネタばらし。前述した石田川ダムの職員の方が話していたことを思い出して頂きたい。
"この雨が恵みの雨となれば…"
恵みの雨となればとは、どういうことか。
姉川ダムでおしゃべりなダム職員の方が教えて頂いたことは、雨が降り続かないというのもあると同時に一時的にこの地域だけ雨が降り続くという最近問題視されている気象問題により、滋賀県内では撮影当日は全体的に雨が降ったのだが、何故か甲賀市だけが大雨となり一時警報が出たらしい。
わたしがいたときの高島市も一時的に強く降っただけにとどまり、警報が出るようなレベルではなく、一時的に強い雨が降るというお知らせだけだったが、まさしくその通りに終わってしまった。
つまり、雨が本当に降ってほしい地域には降らずに雨ばかりが降り続く地域に雨が集中するために水が干乾びて干魃してしまった。
はじめて貯水率0%のダム湖をみて、地球環境問題云々もだし、限りある水源を大切にせねばとも思ったりもしたが、結局自然が相手になればせっかくの防災が目的だったはずのダムだが今は水がなく雨が降り続かないと役目を果たせないでいるのを目の当たりにしたとき、果たして石田川ダムを造成したのは正しいジャッジだったのかとなれば、それは今だからこそ起きている問題なのかもしれない。福井県との県境も近い石田川ダムは12月から3月にかけての期間は積雪により通行困難となるため、冬の期間に入るまでにダムカードが取得出来る。言い換えれば大雪が断続的に降り続きダム湖にも積もり春のあたたかい雪解けの季節とともに氷った場所も水と化しダム湖に再生できる可能性はある。
但し今年の冬が全国的に雪が降らず暖冬傾向にならなければの話になってしまう。
姉川ダムの職員の方も、大変な問題を抱えていると話していたが結局は自然が相手だと幾らこちらが環境に配慮した行動を意識がけて行ったとしても何も変わらない。我々が今まさにこういう問題が起きていることを認識していくことが大事だとわたしは石田川ダムを見て学んだ。
(おまけ)
色々と情報提供して頂いた姉川ダムの職員の方に感謝を示すため、姉川ダム情報を簡易ながら掲載しておく。是非今後のダム巡りの参考にして頂きたい。
自然豊かで美しい場所だったが熊は出るかどうかは分からないが(職員の方いわく川の近くに現れやすいとのこと)スズメバチは堰堤を歩けばブーンと自分達の巣を壊す敵だと近付き飛んでくるので、冷静になり攻撃する意志がないと示せば何もしない。騒いだりしてしまったらかえってスズメバチがビックリして攻撃してくる可能性があるため、スズメバチに刺されたら怖い、虫は苦手な人ならば今の時期は堰堤を歩かない方が良いかもしれない。
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