am0329

趣味で小説らしきものを書いて遊んでいます。

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マガジン

  • 日記とか色々

    日記とか色々

  • 連続小説 遥の花

    以前から書いている小説、「サザエさん」のように、一話おおよそ完結の連続小説です。

最近の記事

「常識のない喫茶店」 を読んだ。

「常識のない喫茶店」、これはかなり面白い。目からうろことは、こういうことだと感激した。 詳しくはまた

    • 自作小説 夕さん 修正版 をちょっと紹介してみる。近日

      • 2020-04-06 鶴見俊輔 座談 昭和を語る

        鶴見俊輔 座談 昭和を語る 晶文社 羽仁五郎の言葉に、p121 「結局、(中曽根康弘が)憲法という一枚の紙切れが残って国民が滅びることになったらどうするんだ、なんてことを言って国民を脅かすから、オレはそういう国民になりたいやって言ってやったんだ」 私はこの羽仁五郎の言葉をかっこいいと思うし、一息でそれを言うことができるようでありたい、と思っている。ただ、本当にこれは困難であるに違いない。 戦争するより、平和を維持することの方が遥かに困難だと思う。

        • 遥の花 蛇足 かぬか びびる

          本来、術者は行くことができない、正確には術者がなんとなく避けてしまうよう、難しい術が一帯に施されている。避けられるかもしれない面倒ごとは、あらかじめ避けるのが賢明だ。 かぬかは駅の改札を降りて、ほっと吐息を漏らした。幸い、かぬかは無の術を少し教わっているため、結界が見逃してくれたのだろう。幸の手書きの地図を見ながら、ここまでやってきたのだ。しかし、駅からの地図はない。つまりは書いても無駄なのだ、駅前商店街魚弦の佳奈さんに案内してもらうようにとある。 かぬかはほっと息を漏らすと

        「常識のない喫茶店」 を読んだ。

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        • 日記とか色々
          2本
        • 連続小説 遥の花
          14本

        記事

          遥の花 漣 五話

          各駅停車の電車、七人がけの椅子の中程に、漣、その両脇を幸とあかねが座った。 約束の日の一日前の朝、三人は本家へと向かっていた。 「幸姉さん。漣さんを返すのは明日なのに、どうして」 「明日じゃ、間に合わないからね」 幸は本家の方角を眺めると、にぃぃっと笑った。 「相変わらずの当主だなぁ」 恐縮したように漣が言った。 「幸師匠。こんなにしてまでいただき、申し訳ありません」 幸は気楽に笑うと背もたれに背を預けた。 「本家の不手際だ。幸はこれでも当主の姪だからな」 あかねが不思議そう

          遥の花 漣 五話

          遥の花 漣 四話

          血だらけになった男を仰向けに寝かせ、幸は豊饒の歌を囁きながら、その体に両手を入れる、男の体は液体になったかのようにその両手を受け入れていく。 一心不乱になった幸の表情は深く沈み、窓からの月明かりだけが幸の横顔を照らす。 大丈夫だよ、お父さん。 「入っていいか」 襖の向こうからなよが声をかけた。 「どうぞ」 幸が呟くように答える。なよは静かに入ると、後ろ手に襖を閉める。 そのまま、男の椅子に腰掛けると男を見つめた。 「深く眠っているようじゃな」 「うん。今のうちに切れた体をすべ

          遥の花 漣 四話

          遥の花 漣 三話

          漣は驚いて、その光景に見入っていた。 幸が蹲って泣いていた。 「お父さんのお茶碗、割れちゃったよ」 黒さん達から母さんと呼ばれる美少女、こんな綺麗な女の子、見たことがない、それでいて、男っぽい言葉に自信に満ちた眼差し。 父さんよりも遥かに強い、いや、桁が違い過ぎる。 「うるさいわ、静かにせい」 なよは幸の頭をはたくと、呆れ顔で言った。 「わしの気に入りの湯飲み。黒の丼茶碗、店の客用の珈琲カップセット。次々と割ってしまいおって。これだけ割れば、不吉もなんもあるか」 なよは怒鳴

          遥の花 漣 三話

          遥の花 漣 二話

          梅林の中央、幸は漣を見上げると、にっと笑った。 「本当に漣の親父が望んでいるのかどうかは知らない。しかし、約定の言葉は交わした。これは、絶対だ。漣、修行を途中で挫折することは許さない、いいな」 緊張した面持ちで連が頷いた。 「漣、横に立て」 幸は漣を見上げた。 梅林の緑が日差しを青に染める。 心地よい風が流れていた。 「舞を教える。動きの要、全てを内包した舞だ」 ゆっくりと漣の体が動きだした。 「か、勝手に体が動きます」 「漣の神経に干渉している。時間があればじっくりと見取り

          遥の花 漣 二話

          更新情報とか日記とか

          更新情報とか日記とか2020-04-02 梨木香歩 私は梨木香歩の爆発を抑制した、と思っておりますが、その文章が好きです。こういう文章が書ければなぁとは思いますが、遙かの彼方です。 幸いなことに彼女は私よりも年上。もしも、年下なら、嫉妬していたかもしれません。 2020-04-01 今日は一日雨。夜、テレビを見ると志村けんの追悼番組。 今日は一日雨。夜、テレビを見ると志村けんの追悼番組。 さて、小説っぽい話を書く上で誰に影響を受けたか。こういうとき、明治大正昭和の始め辺りの

          更新情報とか日記とか

          遥の花 漣 竹林にて

          両腕を組み、鼻歌など口ずさみながら竹林の小径を歩く。 黒と三毛を従え、なよはにかっと嬉しそうに笑みを浮かべた。 「あさぎが作ってくれた弁当に日本酒、言うことないのう」 三毛が辺りをうかがいながら、なよに言った。 「なよ姉さんはお気楽すぎます」 「三毛の生真面目にも困ったもんじゃ。青い空、小春日和の風、沢山の敵、言うことないではないか」 「でも、なよ姉さん」 黒が気配を探ろうと半眼のまま、囁いた。 「かなり強いよ。数え切れないくらいだ」 「惑わされるな、黒」 なよは一升瓶を掲げ

          遥の花 漣 竹林にて

          遥の花 漣一話

          「しょうがないな、出るか」 深夜、幸は呟くと椅子から立ち上がった。 夕食の後、鬼紙家から遣わされた車に鬼紙老と津崎かなめを載せ、あかねはどうしようかと少し迷ったようだが、万が一のため、一緒に乗り込み送っていくこと にした。 三人が帰った後、片づけを手伝い、幸は男の部屋で時間を過ごす。 襖を開ける、廊下を渡り、幸が寝間を覗き込む。啓子が大いびきをかいて眠っていた。 「あやつは蓄膿症の気味があるようじゃのう。小夜野も早めに寝てよかった、奴よりも後に寝ようとすれば、到底、眠れそう

          遥の花 漣一話

          遥の花 撃 二話

          あかねが背中の女の子をのぞき込む。すやすや眠っている、小学校二、三年か、ただ、幸の子供の頃は間違いなく、こんな美少女であったに違いないと思う。そう、幸姉さんにそっくりだ。 「どれどれ」 なよは疲れ果てたように呻くと、立ち上がり、男の背中をのぞき込んだ。 「あぁ、あ」 と、なよは思わず声に出す、そして、大きく溜息をつくと、いきなり、女の子の頭をすこんと右手ではたいた。 「狸寝入りするな、幸」 「ててっ、ごめん、なよ姉さぁん」 子供になってしまった幸は照れ笑いのような表情をなよに

          遥の花 撃 二話

          たいした頭の持ち主ではないけれど、がんばって、カシコそうなことを書いてみる。

          超国家主義と論理と心理 丸山眞男 を ぼちぼち読みつつ超国家主義と論理と心理 丸山眞男 を ぼちぼち読みつつ、ちと、考えてみる。この本はおよそ70年前にこの国の戦中、戦後すぐを書き表したものだけれど、現在にも十分通用する、これは多分、科学技術や経済を除く多くのものごとが、成長していないということだろうと思う。 この国に住む私達の多くは、なにごとにつけ、できれば責任を取りたくないと思っている。責任をとれと強いられる状況を避けたく思っている、私はそう疑っている、だって、私がそうな

          たいした頭の持ち主ではないけれど、がんばって、カシコそうなことを書いてみる。

          遥の花 撃 一話

          「あれは」 男が小さく呟いた。 夕刻、中学校から帰る白の姿だ、友人だろう、同じ制服を着た女の子と公園のベンチでお喋りを楽しんでいる。 男は白の世界が少しずつ広がって行くのを感じた。 学校に通わせたのは正解だったかなと思う。 黒が中学三年、三毛は一年、白が二年と一年ずつずらしたのだが、黒と三毛は出席日数を計算し、出来るだけ学校に行かないようしている。同い年の人間が嫌いなようだ。白だけが、医者になるのを目指し、真面目に学校へと通っていたのだった。 男は少し笑みを浮かべると背を向け

          遥の花 撃 一話

          遥の花 月の竹 眠るモノ 四話

          かぐやのなよたけの姫、危機に陥るかも 月曜日 18 7月 2011 at 6:49 pm. 男は、夕刻、茶店の窓際の席に座っていた。 珈琲をテーブルに戻し、行き交う人を眺める。 街中、まだ、日差しは残り、夕食の材料だろうか、買い物帰りらしい女性が多い。 男は会計事務所の勤めからの帰り、待ち合わせにと茶店に寄ったのだった。 幸せすぎて申し訳ない、思わず、男の口から小さく言葉が漏れた。 「よう、久しぶりだな。寺で閉じ込められて以来だ」 男がゆっくりと顔を上げた。 「どちら様

          遥の花 月の竹 眠るモノ 四話

          遥の花 月の竹 眠るモノ 三話

          遥の花 月の竹 眠るモノ 三話 「先生、見回りに行こうよ」 黒が夕食後、男に言った。 「でも、寒いし。行くのやだなぁ」 男がくすぐったそうに笑う。 「もぉ。そんなことじゃ、町を守れないよ」 怒りだす黒が面白くて仕方ないと男が笑った。黒達三人がここに住むようになって一年が過ぎた。裏社会での術師と鬼の戦いは既に鬼の優勢となり、一般の人達には知らされていないが、術師の目を擦り抜けては鬼達が暗躍し、人々をさらってその血肉を食らっていた。ようやく、この頃になると、一般の人達も鬼を目撃

          遥の花 月の竹 眠るモノ 三話