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家族の朝


我が家は生活リズムがきっちりしている。


婆ちゃんと爺ちゃんは17時には一杯やって楽しくなって
お風呂に入ってすぐ寝る。
そんでもって朝5時には起きてテレビ体操をして1日が始まる。
僕が小学生の頃から浪人終わるまでずーっと変わってない。
早寝早起きの権化みたいだ。

母さんも妹の弁当つくるために5時に起きて支度をして
妹も早く起きて7時には家を出て学校に行く。



単身赴任の父さんは土日だけ実家に帰ってきてたからこの話では例外。


僕だって今までは妹と同じくらい早く起きて学校に行く生活をしていた。


朝、爺ちゃん婆ちゃんにおはよう言って、
目覚ましテレビでニュースを横目に見て、
目覚ましじゃんけんに一喜一憂する母さんを眺めながら、
妹とご飯を食べ、
眠たい目を擦りながら、
時計と睨めっこしながら支度をして家を出る。

が、
大学生になって実家を離れてからは
学校に遅れない範囲で
寝たい時に寝て、起きたい時に起きる生活になった。


実家に帰省して朝起きたら、当たり前のように
もう一階のリビングには誰もいなかった。



妹はとっくに学校行っているし
母さんは洗濯物干し終わって撮り溜めしたドラマをみていたし
爺ちゃんと婆ちゃんはスーパーに買い物に行っていた。

その家族の生活を目の当たりにした時、
自分なしで当たり前に周っている空間に
少しだけ、ほんの少しだけ寂しくなった。

寝坊したから学校遅れるよって部屋に入ってくる親もいないし、
明日学校なんだから早く寝なさい、も、もう言われない。



当たり前だった生活があの頃は〜っていう
思い出になっていくことが最近多くて、
実家に帰ってきてからはより多く感じて、
何だかまだ気持ちがついていってないみたいだ。

そのたんびにふわふわする。

もう大人だもんね〜っていう漠然とした気持ちが
まだ起きたばかりで頭が回っていない脳に
ぼんやり残って


今日も僕は一人でご飯を食べる。




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